ねじの緩み止めとしてダブルナットを使おうとしているけれど、要するにナットを2個ねじ込めばいいんでしょ?
このように考えている人へお話していきます。
結論から言うと、思考停止にナットを2個ねじ込むと、逆に不具合が発生したりします。
ダブルナットは、比較的導入しやすい緩み止め対策であることから、街中をのぞいてみると、アンカーボルト(地面やコンクリートと、部品とを固定するためのボルト)の締め付けなどによく採用されております。
ですが、このダブルナットの締め付け方は、間違えている人が意外と多いのです。
当たり前ではありますが、ダブルナットは正しい方法で締め付けを行わないと、緩み止めとして全く効果を発揮しません。
そこで、今回はダブルナットについて、どのようなところでミスが起こりやすいかについて、話をしていきたいと思います。
この記事を参考に、正しくダブルナットを施工し、気持ちよく業務を終わらせられるようにしましょう。
ダブルナットのナットの組み合わせは、上ナットの高さが下ナットの高さ以上でなければなりません。
ダブルナットは下ナットを締め付けた後に、上ナットを締め付けますが、この上ナットの締め付け力がメインの締め付け力として作用します。
そのため、上ナットの高さが低いと、メインの締め付け力が弱くなります。
このような間違いを起こすと、単純なボルト・ナット締結よりも締め付け力が低下する可能性もあります。
見た目としては、上ナットの高さが低い方がよいかと思いますが、ダブルナットの原理を考えると、上ナットの高さが下ナット以上でなければなりません。
ちなみに、上ナットと下ナットの高さが同じであってもOKです。
ダブルナットを締め付ける際に、最後に下ナットを逆回転させる必要があるのですが、これはめちゃくちゃ忘れやすいです。
逆回転をしない場合、下ナットの締め付け力はゼロで、上ナットのみで締め付けているということになりますので、ダブルナットにしている意味がありません。
さらに厄介なのが、この「逆回転させたかどうかを見た目で判断することが難しい」ということです。
例えば、高所作業車や仮設足場がないと届かないようなところにあるダブルナットをチェックしようと思ったら、わざわざ段取りをしてスパナを掛けに行かなければなりません。
こういった厄介さがあるがゆえに、企業によってはダブルナットを禁止し、ハードロックナットやUナットを使用するといった基準を設けているところもあります。
今回のポイントについてまとめると、以下の通りとなります。
今回の記事を踏まえた上で、逆に正しく施工をするにはどうすれば良いのかと思った方は、以下の記事で解説しておりますので参考にしてみてください。
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ダブルナットの締付け方法と原理
【解説】ねじが緩む原因