画像センサーによる外観検査のメリット

製造・生産技術

この記事を読んで欲しい人

  • 外観検査に画像センサーを使う事で、不良品流出の対策が出来ないか考えている人
  • 検査工程の省力化を検討中の人

製造業において外観検査はお客様に製品をお届けする前の重要な工程です。

その外観検査の多くは人による作業によって実施されています。

ですが、人による作業は

  • 体調や疲労度
  • 作業者の交代
  • 「感覚」の違い

などにより「品質や不良品検出力のバラつき」が発生してしまいます。

「感覚」というのは人それぞれのため、はっきりと数値で表すことが出来ないキズや汚れの判別にはバラつきが生じてしまいます。

画像センサーによって省力化したり数値化して判断することでお客様に不良品を納入してしまう数を圧倒的に減らすことが出来ます。

ここでは製造業で検査工程の新規立ち上げに携わっている私が、「品質判断のバラつき」を無くすための画像センサーを使った外観検査のメリットについて解説します。

画像センサーによる検査のメリット

省力化

画像センサーによる検査は、検査装置に「製品をセッティングするだけ」で検査が出来ます。

人が寸法検査をする場合、ノギスやマイクロメーターなど測定器を使用しますよね?

製品や測定器を持ち換えるという手間を省くことができます。

製品をセットして起動ボタンを押すだけで寸法が測れるのはいいね!

また、測定した数値を見間違えてしまい、不良品を良品と判断してしまう事もあります。

画像センサーに公差を設定して、良品なら青・不良品なら赤など色で判断すると、数値の読み間違いの予防ができるだけでなく、判断が容易になります。

数値の読み間違えが無いか繰り返し確認するよりも、色で判断出来ると時短だけでなく気持ちも安心出来ますよ。

品質判断のバラつき低減

画像センサーは記憶させた通りの基準をずっとキープすることが出来ます。

人による検査だと、時間の経過や検査員の交代によって判断基準が少しずつ厳しくなっていったり、ゆるくなってしまうことがありませんか?

判断基準が数値で表せない「見た目の検査」による品質は個人の感覚に頼らざるを得ない判断になってしまいますからね。

品質判断がバラついてしまう事で、良品だと思って納入した製品が不良品と判断されてしまうという事態が発生することがあります。

逆に、良品なのに不良品と不良品と判断してしまって社内での不良率が上がってしまう事もあります。

画像センサーでは、「見た目」の品質を数値化することが出来るため、このような事態を回避することが出来ます。

定期的に判断基準の確認をしなくて良くなるのもメリットだね!

私の勤めている会社でも判断基準の見直しを実施したら不良品と判別していた3割程度が良品でしたよ。

画像検査で出来ること

画像センサーは選ぶ機能や精度によって様々な検査が可能です。

例えば

  • 形状の欠損を見つける
  • 色の濃淡を判別する
  • キズや汚れを見つける
  • 組み付け部品の欠品を見つける

などが瞬時に出来るので、人による目視検査の負担を省力化もしくは削減することになります。

だから多くの企業で取り入れられているんだね!

形状の欠損を見つける

画像センサーではボタン一つで形状の欠損を発見することが出来ます。

生産工程では製品の形状に異常が生じる場合がありますよね?

  • 穴があいていない
  • 角が丸くなっている
  • 製品の一部が欠けている
  • バリがある

など症状や程度は様々あります。

画像センサーにあらかじめ合格品の形状を登録しておくことで、その形状に一致していれば合格、一致していなければ不合格と判定させることができます。

色の濃淡を判別する

画像センサーで製品の色の濃淡を判別することが出来ます。

色の濃淡を判別するってどういう事??

プラスチック製品の場合、白いプラスチックの素材に色をつけるための材料を混ぜ合わせてカラフルな物を作ることがあります。

ですが、その混ざり具合によって色の濃い物や薄いものが出来てしまうことがあるんです。

画像センサーでは、一定の範囲内に登録した色が何個あるか?というように色の違いを数値で表す事が出来ます。

色調にバラつきが生じてはいけない製品は、人の目視による感覚的な検査よりも、数値で判別出来る画像センサーを使用する方が断然に早いのです。

私が勤めている会社では基準の色より薄いと、不良品として判別するように設定していますよ。

微妙な色の違いを判断するために複数人で悩む時間はもったいないですからね。

キズや汚れを見つける

画像センサーでは様々なキズや汚れを見つける事も出来ます。

画像センサーで見つけるためには、方法が2つあります。

1つ目は、

パターンを数多く記憶させて判別する方法です。

発生している全てのキズや汚れの製品をサンプルとしてパターンを記憶させます。

記憶させたパターンのキズや汚れがない製品は良品として判断させるよう設定します。

2つ目は

キズや汚れの大きさや深さを測定して判別するという方法です。

サイズや深さを測定する場合は測定機能が付いている画像センサーを選定する必要があります。

測定位置と公差を設定し、その範囲に入らないものはNG品と判断させます。

組み付け部品の欠品を見つける

組み付けた部品が映っているかや、画像センサーとの距離を計測する事で部品が組み付けられているかどうかを判別出来ます。

組み付け工程では

  • ねじで締める
  • ばねをはめる
  • クッション材を貼り付ける

などの工程を一人で担当する場合があります。

しかし一人で複数の工程を担当すると、どうしても付け忘れが発生することがあります。

その製造現場の経験年数が長いベテランの人でも、「うっかり」ということはありますからね。

このように必要な部品が組み付けられていない製品を発見する事にも画像センサーは有効なのです。

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noa

外観検査

「外観検査」よくあるキズの見逃しとその予防策!

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