モデリング効率が上がる!iCADのおすすめ設定【6選】

製図・モデリング 更新:

この記事を読んで欲しい人

  • iCADでのモデリングが速い人って、どうやっているんだろ?と気になる人
  • いろんな設定があるけれど、よくわからないから特に設定をイジらずに使っている人

こんにちはー、りびぃです。私は普段、iCADを使って生産設備を設計する仕事をしています。

私と同じように設計部署で働いている皆さんの中には

あの人、やたらとモデリングするのが早いんだけれど、自分と何が違うんだろ?

って思う方はいらっしゃるんじゃないでしょうか?

同じぐらいの分量の作業が割り振られているはずなのに、やたら早い人っていますよねー

特に詳細設計やバラシのフェーズになるとマネージャから

いつ終わる?とにかくスピードを上げて、どんどんさばいて!!

とムチを打たれるので、少しでもモデル作成の効率を上げていきたいですよね。

iCADでモデル作成の効率を上げる方法はいくつかありますが、その中でもまず最初にやるべきなのは「iCADの設定の見直し」です。

というのも設定は、高度なテクニックや暗記は必要なく、一度設定してしまうだけで効率化が完了するからです。

なので、iCADを使い始めたら真っ先に設定を済ませておきたいですよね。

そこでこの記事では、モデリング効率が上がるiCADのおすすめ設定【6選】と題してご紹介していきます。

この記事を参考に設定を見直して、さくさくモデリングができるようお役立ていただけたら嬉しいです。

初心者向け

背景を黒くする

iCADを初期設定のままで開くと、背景は青っぽい色をしています。

この背景は、にしてしまいましょう。

え?色なんてただの好みだから、関係なくない?

と思うかもしれませんが、背景を黒にすることによるメリットはいくつかあります。

  • モデリング時の異変に気付きやすくなる
  • 寸法や注記が見やすくなる

これらのメリットによってさらに、モデリングミスが激減したり、目が疲れにくくなったりなんていう嬉しい効果もありますねー

この設定は以下の手順で行います。

  1. iCADを起動する
  2. 「メニューバー」→「設定」→「グラデーション」→「OFF」

使わないコマンドを非表示にする

iCADの画面上部にはさまざまなコマンドが並んでいるのですが、実はこのうちのいくつかは全く使いません。

使わないコマンドを残してたままにしていても作業スペースが圧迫されるだけになります。

なので不要なコマンドは非表示にしておきましょう。

設定方法は以下のとおりです。

  1. iCADを起動する
  2. 「メニューバー」→「表示」→「ツールバー」→「使わないもののチェックを外す」

ちなみに、個人的に非表示にしても問題ないと思うものは以下のとおりです

チェックを外すもの 備考
ファイル 「メニューバー」->「ファイル」からでも実行可能なため不要
画面操作 拡大・縮小等はマウスで行えるので不要
UNDO/REDO Ctrl+Z / Ctr+Yで実行可能なので不要
画面記憶
2D標準画面

UNDO/REDOの回数を増やす

iCADには「モデルの状態を1つ元に戻す(UNDO)」あるいは「モデルの状態を1つ進める(REDO)」というコマンドが用意されています。

しかしこのUNDOとREDOですが、実は初期設定ではたったの5回しか戻せません。

5回はあまりにも少なすぎるんですよ・・・!

なので、この回数を増やしておきましょう。

設定方法は以下のとおりです。

  1. 「Windowsスタートメニュー」→「iCAD SX 環境設定ツール」→「環境セットアップ」を開く
  2. 「システム」タブ→「UNDO/REDO」
  3. iCADを再起動する

設定のところに「推奨5」って書いていますけれど無視して大丈夫です。私はいつも20~30回ぐらいに設定していますね。

ちなみにUNDOとREDOは以下のようにショートカットキーが初期設定されていますので、覚えておくと便利です。

  • UNDO: Ctrl + Z
  • REDO: Ctrl + Y

お気に入りボックスを設定する

iCADでなにかしらコマンドを実行したい場合に、いちいちコマンドを探さないと行けないのはかなり面倒くさいですよね。

そんなときには、iCADのコマンドのお気に入り登録ができる「お気に入りボックス」を設定してみましょう。

お気に入りボックスの使い方は、モデリングの画面上でマウスカーソルを動かしながら右クリックすることで使用できます。

お気に入りボックスへのコマンド登録方法は次のとおりです。

  1. 「メニューバー」→「表示」→「アイコンメニュー」にチェックを入れておく
  2. アイコンメニューの中から、お気に入りボックスに登録しておきたいコマンドを探す
  3. そのコマンドのアイコンをドラッグして、モデリングの画面にカーソルを持ってくる(そうすると自動でお気に入りボックスが開きます)
    「絵」
  4. 好きな位置にアイコンをドロップする

すでに初期設定でいくつかのコマンドが登録されていますが、もちろんコマンドの上書きなどもできますよー

もし「どんなコマンドを登録しておけばいいかわからない」という方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

上級者向け

ショートカットキーを登録する

iCADは初期設定で「Ctrl+YでREDO」「Ctrl+Sで保存」などのように、いくつかのショートカットキーが設定されています。

ですがそれに加えて、なんと自分で好きなショートカットキーを登録することができます。

お気に入りボックスも便利ではあるのですが、右手ばっかり忙しくなるんですよねー。なので自分はショートカットキーを使うことで、左手とバランスよく使うのが好きな派ですね笑

ショートカットキーの設定方法は次のとおりです。

  1. 「Windowsスタートメニュー」→「iCAD SX 環境設定ツール」→「メニューセットアップ」を開く
  2. 「ショートカットキー」のタブをクリックする
  3. 左半分で「割当てるキー入力」を、右半分で「割当てたいコマンド」を選択し、 中央の「←追加」ボタンをクリックする
  4. iCADを再起動する

ただし、ショートカットキーを設定する際には、絶対に気をつけないと行けないことがあります。

それは「必ずCtrlキーまたはAltキー、あるいはその両方の組み合わせのキーで割り当てること」ということです。

例えば以下の表のようなものになります。

割当てOKなものの例 割当てNGなものの例
Ctrl+T

Alt+0

Ctrl+Alt+F4

Ctrl+Shift+3

Alt+Shift+,

Ctrl+Alt+Shift+B

9

A

/

Shift+P

Shift+2

というのも、もし「割当てNGなもの」のような設定をしてしまうと、文字入力ができなくなってしまうからです。

例えば「A」を何らかのショートカットキーとして登録してしまうと、iCADのなかで「あ」という文字を入力したくても、ショートカットキーに登録したコマンドが実行されてしまうので、入力できなくなってしまうのです。

また「数字キー単体」にショートカットキーを登録すると、モデリングの際に寸法入力しようとしてもできなくなってしまうのです。

例外としてF1 ~ F12については文字入力で使うことがほぼないので、これらに関してはショートカットキーをどのように割り当ててもOKかなーと思いますー

もし誤って設定してしまったら、もう一度ショートカットキーの設定を開いて設定を削除し、iCADを再起動しましょう。

穴あけの際に、自動で色が付くようにする

iCADでモデルにキリ穴やタップ穴などの穴をあけるには、アイコンメニューの「機械部品を選択して配置する」(コマンドメニューは「部品配置」)を使用しますが、

実際に穴をあけてみると、あけた穴がキリ穴なのかタップ穴なのかが判断できません。

これ、もし間違えたら製造屋さんにめっちゃ怒られるやつですからねー

一応、アイコンメニューの「加工要件」を使うと確認できるのですが、このコマンドって実際使ってみると非常に使い勝手が悪かったりしますし、

穴をあけた後で手動で穴に色を付けことも可能ですが、これをすべての穴に対してやるのは非常に手間です。

そんな時は、穴あけの際に自動で色がつくように設定しておくのがおすすめです。

自分の場合は、キリ穴は黄色、タップ穴は緑が自動でつくように設定していますよー

では設定方法なのですが、結構ややこしい部分をいじることになりますし、操作をミスるとiCADの一部コマンドが使用できなるなる可能性があります。

なので操作をする前にはバックアップとして、iCADがインストールされたフォルダをまるまる複製しておくことをおすすめします。

  1. 「iCADインストールフォルダ→ICADSX→JISPARTS→JIS→3D→04_ねじ穴」を開く(機械部品を選択して配置するコマンドを実行したときに内部で呼び出されるフォルダです)
  2. 色を設定したい穴のフォルダ内のcsvファイルを開く(今回の例では「キリ穴(貫通形状)」を選ぶ)
  3. csvファイル内のHOLD_NUMBERの数字(下の図では151)をメモしておき、csvファイルを保存せずに閉じる
  4. 「iCADインストールフォルダ→ICADSX→ETC→Manufacture」フォルダを開き、以下を参考に特定のファイルをコピーする
    ・キリ穴の場合:HOLE1.csvをコピー
    ・タップ穴の場合:HOLE3.csvをコピー
  5. 「iCADインストールフォルダ→ICADSX→USER→Manufacture」を開き、コピーしたcsvファイルを貼り付ける(貼り付けの際に、既に同じファイル名が存在する場合は、いったんデスクトップなどに貼り付けた後に任意のファイル名に変更してからもう一度コピー・貼り付けをする
  6. 貼り付けたファイル名を「HOLE*.csv(*は手順3でメモした数字)」に変更する。
  7. csvファイルを開き「HOLE_NUMBER」の数字を手順3でメモした数字に変更する
  8. 「FACE_COLORNO」に、設定したい色に対応する番号を入力し、保存して閉じる。なお色と番号の対応表は以下の通り。

 

本記事で掲載している画像の特記事項

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りびぃ

この記事を書いた人

機械設計エンジニア: りびぃ

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