こんにちはー、りびぃです。普段は主にiCADで設備設計をしているものです。
皆さんはiCADを使っていて、下の図のようなメッセージが出たことはありませんか?
同名同座標系のパーツが存在します。 属性変更したい場合、パーツ名か配置座標系を変えてください。
(「コマンドメニュー:図面化→表現変更→部品の表現→階層選択」を実行時に発生)
対応する3Dパーツが見つかりません。パーツ名とパーツ座標系で特定します。
(「コマンドメニュー:図面化→表現変更→部品の表現→形状選択」を実行時に発生)
このメッセージの日本語、意味分かんないですよね笑
そこでこの記事では、このエラーの原因・対処方法について、わかりやすく解説していきます。
注意:本記事はiCAD SX V8L2での解説記事となります。
このエラーは主に2つの原因で発生します。
例えば以下のような、パーツ名も形状も同じになっている部品があったとします。
これが一つのファイル内で配置場所が完全に一緒になっている場合にエラーが発生します。
もう一つエラーが出る条件があります。
それが「他の外部ファイルの中で使われいるパーツを、パーツ名を変えずにコピーで持ってきている」というものです。
そして、これが若干やっかいな点というのは、この操作を一回やってしてしまうと、
B001の形状を変更したとしても、B001の座標原点・パーツ名が同じである限りエラーが解消されないという特徴があります。
なので例えば、
などしても、パーツの原点自体は変わらないので、エラーは解消されません。
ここまで話を聞いても、みなさんは
そんな、わざわざエラーが出るようなモデルの作り方してないはずなんだけどな・・・
って思いませんか?笑
エラーって「気が付くと起こるもの」って感じですよねー。エラー起こったっていう人のところに話聞くと「何もしてないのにエラー出た」なんて言われます笑
ただこのエラーが出る経緯を調べると、ほとんどが「サブアッシーごとにファイルを切り出して作業しだしたとき」に起こります。
詳しく説明をすると、
iCADで設計していくと、Aモジュール、Bモジュール・・・といったようにサブアッシーごとに外部ファイルとして分けて、作業を進めていくことはよくあります。
規模が大きい装置の設計だと、複数の担当者がモジュール別に分かれて作業を進めるってことはよくありますねー!
さて、このようにモジュールごとに外部ファイルに分けて詳細を詰めていくわけですが、
作業を進めるにあたっては、そのモジュール単独で作業を進めるよりも、取り合い相手のモデルが置かれていた方が作業がしやすかったりします。
しかしこの「B001」というパーツ名のままにしていると、全体図のモデルの中で「パーツ名・形状・配置場所が一緒の部品が複数ある(同名同座標のパーツ)」の条件を満たしてしまいます。
そのため、全体図の2Dを書く際に、Aモジュール内の「B001」の部品を、非表示・想像線に設定しようとしたときにエラーが発生してしまいます。
仮に「AモジュールのB001」について、パーツの形状を一部変更したり、一部削除したりしてもエラーが発生しちゃうんですよー
このエラーを対処するのに手っ取り早いのが、パーツ名を変更することです。
自分の場合は、パーツ名の頭に「!」をつけるなどしています。
ただ「Cモジュールにも!B001を入れたい」となる場合だと、末尾に「_A」「_C」をつけるなどして、パーツ名が被らないようにする必要はありますー
ただこの対処方法には、いくつかの注意点があります。
一つ目は「!をつける」など、このようなルールはチーム内で共有しておくべきということです。
例えば、
という別のルールが同じ装置のモデル内で混在していると、これはチーム内で混乱を招く原因になります。
半角・全角も揃えておかないとダメですよー!こういう事故が起こるので、私はパーツ名に日本語を使いたくないんですよー・・・
注意点の二つ目は元のB001のモデルが編集された場合、それを反映させるのに一工夫必要になるということです。
iCADでは「あるパーツの変更を、別の同じパーツに一括で反映させる」のに便利なコマンドがあります。
それが「置き換え」というコマンドになります。
(「コマンドメニュー:トップダウン→階層編集→置き換え」にコマンドがあります)
今回の例でも「B001」のモデルを「!B001」へ反映させる際に、この「置き換え」コマンドを使うと簡単に反映させることができます。
ただしこの「置き換え」コマンドを使うと、パーツ名も「B001」に変更されてしまうのです。
なので「置き換え」コマンドを実行した後は、プロパティから名前を「!B001」などに戻しておくのを忘れないようにしましょう。
もう一つの対処法は、そもそも2D組図は描かないというものです。
このエラーは「2D組図を描くときに都合が悪くなる」のですから、そもそも2Dを描かなければエラーを気にする必要すらありません。
こういうことを言うと、
いやいやいや・・・。組図を描かないとかあり得ないでしょ!組図は描くもんやろ!
みたいな方がいますが、思考停止で「組図は描くもん」と仰っているのであればしっかりと考えてみてください。
組図を描くのってものすごい工数がかかる割に、組図があれば装置がよくわかるか?といわれると、そうでもないケースが多いです。
それよりも意外と、なんだかんだ3Dで取り合いを確認した方が早いしわかりやすいという意見も珍しくありません。
実際お客さんの中には「結局、3D見ながら組立てるから、2D組図はいらない」と仰る方も普通にいますよ!
これを機にあらためて2D組図の必要性を検討してみてはいかがでしょう?
これまでの説明では「3Dの操作でパーツのコピーを下手にやると、2D描くときにエラーが出る」という話でした。
ここで勘のいい方は、
じゃあ、2D描いてからパーツ名を同じに戻したらイケるんじゃないの?わざわざ「!」付けるみたいなルール作るの面倒臭いしさー
と思うかもしれません。
ただ結論を言うと「イケないことはないけれど、おすすめはしない」です。
確かに一度2Dを描いてしまえば、パーツ名を同じに戻しても2Dがおかしくなることはないです。
ですが一方で、後々になって
などが発生した場合、再び
という作業が発生し、二度手間になってしまいます。
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