機械設計の上達のコツ【圧倒的に量が大切です】

キャリア

機械設計の上達のコツを知りたい人

機械設計の仕事をはじめてしばらく経つけど、あまり成長しているという実感がわかない。頑張ろうにも、機械設計の仕事って思ったより難しいし、覚えなきゃいけないことが多くて、どこから手をつけたら良いかわからない。上達するコツがあったら教えて欲しい。

このような疑問・悩みをお持ちの方へ、お答えします。

現在私は機械メーカーの正社員で設計の仕事を始めて5年目です。最近では所属している部署の仕事をやりつつ、他部署の設計の応援を平行してやっていたりします。

仕事は忙しいこともありますが、複数のプロジェクトを平行して業務をしているおかげで、おそらく私は会社の同世代の設計者よりも、実質の経験が豊富です。

そんな私の経験から、機械設計を上達するためのコツについて今回はお話ししていきます。

圧倒的に「量」が大切です

機械メーカーの設計として就職した人のほとんどが、「どんな機械を作りたいか、どんなプロジェクトに関わりたいか」で配属の希望を出していることが多いです。
その中でも比較的人気が高いのが、金額の規模や、機械のサイズが大きいプロジェクトです。

どういう根拠で配属先を希望しても基本的には本人の自由ですが、機械設計の仕事を早く上達させるためであれば、金額の規模や、機械のサイズで選ぶのではなく、設計の量をこなせる業務に関わることが大切です。

なぜなら、機械設計では、自分で考えて設計して(Plan)、それをもとに装置の製作が行われ(Do)、製作した現物を確認し(Check)、改善するべきところを次回からの設計に活かする(Action)というPDCAサイクルを何度も回していきながらスキルアップしていくのが基本となるからです。

PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の略で、この一連の業務を1サイクルとし、これを何度もこなすことによってスキルアップするという考えのことです。機械設計の業務だけではなく、さまざまな業務に応用されています。

そのプロジェクトは、PDCAを回すのにどれぐらい時間がかかる?

機械設計というと、「強度計算」や「能力計算」をもとに製品を作っていくというイメージがあるかと思いますが、求められるのはそれだけではありません。

たとえば「材料・部品の入手性」「機械の導入コスト」「機械のランニングコスト」「納期」「組立容易性」「メンテナンス性」「デザイン性」「品質の安定性」「安全性」「環境負荷」など、いろんな視点から物事を考える目が必要となるのです。

この幅広い視点について考えるのは、1、2回設計業務を経験したところでできるようになるわけはないため、PDCAをたくさん回す必要があるのです。

金額の規模や、機械のサイズが大きいプロジェクトは確かに魅力的ですが、PDCAサイクルを回すのに年単位の時間を要します。

つい先日、私は大学時代の友人を家に招待し、宅飲みをしていました。その友人はプラント設備の設計をやっているのですが、その飲みにおいて「会社に入ってどんな業務をしてきたか」という話になりました。

その友人は何をやっていたかというと、実際に設計をやっていたのは最初の1年ぐらい(ただしそのうち数ヶ月は会社の研修)、次の1年は部品や工事業者の発注書の作成と、図面やその他重要書類の整理整頓、次の2年ぐらいは現地工事の見学、をやっていたそうです。

それに比べ、私がこれまでやってきた設計業務のPDCAサイクルは、短くて1週間、長くて半年などです。
製品としては小さいものばかりですが、所属部署の機械に携わりつつ、他部署の応援もたくさんやっているので、触れている製品の種類、失敗・反省の量はその友人に比べると桁違いです。

その友人は今でも大切な友人ではあるのですが、業務の内容を聞く限り、自分が2年も前に経験した内容を今になって経験をしているので「なんかレベル低いな・・・」と感じてしまいました。

机上だけでは、機械設計の能力は上達しない

最近は、設計をするためのツールがたくさん揃っています。
パソコンで3次元モデルを使用した解析ができますし、様々な技術資料がネットで調べれば簡単に手に入ります。
さらに、大手の機械メーカーなどでは、過去に設計した装置の図面や計算書、それをもとにした設計マニュアルなどが残されております。

ただ、机上だけでは、機械設計の能力が上達することはなく、ただのノウハウコレクターにしかなれません。
これは、機械設計ではない他の業務においても言えることですが、自分の業務を上達させるにはPlanだけで終わるのではなく、Do、Check、Actionのサイクルを回す必要があります。

「過去の実績」が使い物にならなくなるのはザラにある

その理由は、機械設計の業務は、学校のテスト問題のように模範解答が容易されているわけではなく「模範解答のない問題について、その時代その状況における最適解を考えること」だからです。

たとえ過去に設計された機械と同じような機能の機械をやることになったとしても、客先の要求事項が微妙に違ったり、法律が変わっていたり、電装品のインターフェースが変わっていたり、材料が高騰していたり、新しい競合他社が現れたりすることなどザラにあります。

そのため、過去の最適解は、今の最適解とはならないのです。

ただし、同じ設計業務であっても、建築系の設計の場合は、規格という名の模範解答を覚えてしまう方が、上達は早くなります。
建築系の設計は自由度が少なく、既に規格によって決められているものが多いからです。
ですが、規格が変更されたなどの情報には敏感になっておきましょう。

たくさんの量の設計業務を経験する方法

設計の量をこなして、PDCAサイクルを何度もこなすためには、短期間の設計業務を数多くこなすことをオススメします。

ただ「そう言われても、うちの会社は長期間の仕事しかない」という方もいるかと思いますので、そういう人でも量を経験する方法をいくつかご紹介します。

  • 小規模の研究開発を立ち上げる、または参加する
  • 他部署の応援に行く、行きたいと宣言する
  • 設計で困っている人の相談に乗ったり、ちょっと仕事を手伝ったりする
  • 本業以外で経験する

1つ目の方法は部署の方針や予算・市場を考えた上で上司を説得する必要があるため、なかなかハードルが高かったりしますが、2つ目と3つ目の方法は私がよくやっていることです。

どちらも中途半端になったり、業務に支障をきたすようなことがあってはなりませんが、PDCAをサイクルを回す回数は2〜3倍になります。

本業以外で経験する方法は、以前私と同じ職場で働いていた外注設計の人がやっていたことです。休日はDIYに励んでおり、作ったものを自宅で活用したり、メルカリで販売したりしていました。

その人は設計能力が非常に高い上に、普段の業務で常に4〜5つのプロジェクトを平行して進めている宇宙人みたいな人でした。

今は契約が切れて派遣元の本社に戻られてしまいましたが、様々な部署の上司たちから「うちの正社員にならないか?」と声をかけられておりました。

まとめ

今回の内容についてまとめると、以下のとおりとなります。

  • 機械設計を上達するためには、PDCAサイクルをたくさん回すことが大切
  • 規模が大きいプロジェクトは、PDCAサイクルを回すのには非効率
  • 機械設計の量を経験する方法は、いくつかある

機械設計は「規模が大きく期間が長い仕事」か「規模が小さく期間が短い仕事か」の2つに分けられることが多いです。

ですがなにも「どちらか1本を選ばなければならない」ということはありません。

「機械設計を上達させたいが、大きなプロジェクトもやりたい」という欲張りな方は、まずは量をこなして、ある程度上達してから大きなプロジェクトに参加するのでも遅くはないですし、私のようにいくつかのプロジェクトを平行して行うのも一つの方法です。

やりたいと決心したら、ぜひ職場の上司に訴えてみましょう。

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