材料力学における荷重の種類【全部で5つあります】

材料力学 更新:

こんにちは!リヴィです。

この記事を読むべき人

  • 材料力学に興味がある人
  • とりあえず大学で材料力学の講義を受けているけれど、話についていけなくなった人
  • どういう場合について考えたり、計算すれば良いのかわからなくなってきた人

材料力学は「材料が永久変形したり、壊れたりしないかどうか」「永久変形や破壊をしなくても、どの程度変形するか」について評価をしていきます。

そういった評価をする上で、まず「どのように材料に力がかかることを想定するか」という荷重の種類で場合分けをする必要があります。

結論からいうと、荷重の種類は以下の5つがあります。

  • 引張荷重
  • 圧縮荷重
  • せん断荷重
  • 曲げ荷重
  • ねじり荷重
リヴィ

ちなみに荷重は、「外力」と言われることもありますね。

そこでこの記事では「5種類の荷重」の概要について、サクッとご紹介していきます。

材料力学で計算・評価する荷重は、必ずこれら5種類のうちのどれか、または組み合わせになります。

ポケモンリーグで四天王に勝つためには、まずはポケモンをゲットするところから始める必要があるのと同じように、基本的な内容ですので、ぜひ覚えていきましょう。

荷重の種類

引張荷重

材料を引き伸ばすように作用する荷重のことです。

引張荷重を受けた材料は、引っ張られた方向に材料が伸び、材料の太さが細くなります。

身近な例としては「お餅」がわかりやすいです。

お雑煮などに入っているお餅を箸で伸ばすと、お餅がビヨーンって伸びながらちぎれていきます。

圧縮荷重

材料を縮めたり、つぶすように作用する荷重のことです。

圧縮荷重を受けた材料は、荷重方向に材料が縮み、材料の太さが太くなります。

圧縮荷重による材料の壊れ方には2種類あります。

比較的材料が太く、短いものが圧縮荷重によって壊れるときには、潰れるようにして壊れます。

例えば、ラーメン屋さんに行くと置かれている「ガーリックプレス」なんかが例として挙げられます。

一方で、比較的材料が細長いものが圧縮荷重を受けると、材料の中央部がへし折れるようにして壊れます。

後者のような壊れ方を座屈といい、特に柱にかかる荷重計算に使用されます。

せん断荷重

材料をズラすように作用する荷重のことです。

「ズラす」というとイメージが湧きにくいかもしれませんが、最も身近なものはハサミです。

ハサミの2つの刃を使って対抗するように力を加える事によって、紙などを切断することができます。

曲げ荷重

材料を曲げるように作用する荷重のことです。

例えば、アーチェリーで矢をセットして構えている時は、アーチェリーの弓の部分には曲げ荷重がかかっていることになります。

詳しくはこちらで解説をしております。

ねじり荷重

材料をねじるように作用する荷重のことです。

最も身近なのは、雑巾絞りです。

その他、機械の軸を設計するのにもよく使われます。

詳しくはこちらで解説をしております。

5種類の荷重に共通する特徴

材料力学において、材料に与えられる5種類の荷重には、共通点があります。

それは荷重は必ず釣り合うということです。

なぜなら、そもそも材料力学という学問が、材料の釣り合いを前提としているためです。

そのため、材料力学で登場する材料は静止しています。

リヴィ

材料力学は特に、家やビルなどの構造物の強度計算に多く利用されますが、家やビルは運動しないですよね。

また、材料が静止していることから、荷重に対して同じ大きさで向きが逆である反作用が存在します。

以下の荷重のイラストで表されている通り、5種類の荷重とも、対向する2つ以上の矢印が存在しています(曲げ荷重は、矢印の本数が等しくないですが、力の総和は0となります)。

そして、これらの矢印(力の大きさ・向き)の総和は必ず0となります。

もし、これらの条件が成り立たないがあれば、それは「材料が運動をした時」か「材料を壊れたときか」となります。

ですが、材料が運動するようなものは材料力学の範囲を超えていますし、壊れた後の材料は評価をする価値がないので、どちらも材料力学の対象外です。

まとめ

今回の内容をまとめると、以下の内容となります。

  • 材料力学には5種類の荷重がある
  • 材料力学では、荷重は釣り合う

このブログの記事は、以下の図書を参考に作成しています。

今回は以上となります。ご一読、ありがとうございました。


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機械設計エンジニア: りびぃ

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