今回は、ねじり荷重についてお話ししていきます。
材料をねじるように与える荷重のことを、ねじり荷重といいます。
材料力学は、主に静的荷重についてを中心として、材料に発生する力学的現象を評価しますが、
静的にねじり荷重がかかるような状況というのは、あまりありません。
ねじり荷重はどちらかというと、動的な機械を設計する際に必要となります。
特に近年では、「自動化技術」がどんどん開発されており、ハード面では、生産自動化(人手による作業を、機械が自動的にやってくれる)や、電気自動車が注目を浴びております。
そしてこれらの装置に欠かせないハードウェアと言えば「モータ」です。
モータは加速時・減速時にねじり荷重を受けるため、ねじり荷重の計算は、モータを使った機械の設計でよく使われます。
そんなねじり荷重の導入的な内容について、今回はお話しします。
材料がねりじ荷重を受ける状況とは?
材料がトルクを受ける状況は何かということをイメージするときに、最もイメージがしやすいのは、雑巾が絞られるように荷重を受けるという状況です。

またそれ以外にも、棒から円周方向に飛び出た物体を、棒の軸回りに回すことでも、材料はねじり荷重を受けます。
これは、ネジやボルトを、工具で締め付ける動作に当たります。
また、モータの軸に「キー」という部品をつけて、モータの駆動力を伝える現象もこれに当たります。


荷重の呼び方
まず「ねじる」とはどのような荷重かというと、
材料の軸回りにモーメントをかけるような荷重のことを言います。
そのため、ねじりモーメントということがあります。
しかし、梁の曲げ荷重もモーメント荷重であり、少しややこしいことから、
ねじりモーメントのことは「トルク」ということが多いです。
例えば、ネジを締め付ける時の回転力は、ネジのサイズごとに適正値が決まっておりますが、この適正値のことを「締付トルク」といいます。
さらに、ネジの締付け力どおりに締付けを行うために使う工具のことを、「トルクレンチ」と言ったりします。

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