「ばね座金のみ」「ばね座金だけ」の使用がNGである理由

ねじ

さて以前、座金は何の役に立つのかということを解説いたしました。

座金の役割の一つは、ボルトの緩み止めでした。

ところで、一般的な座金といえば平座金(ワッシャー)ですが、
これと一緒によく使われる部品としてばね座金(スプリングワッシャー)があります。

ばね座金は、平座金の一部が切れたような形状をしております。

そして、その役割は一般的には、以下のような役割を果たします。

  1. ボルトやナットと、母材との間に挿入される
  2. ボルトやナットの締め付けによって、ばね座金が潰される
  3. ばね座金が潰されたことにより、ばね座金のばね力が働く
  4. ボルトやナットが、ばね力を受けることによって、摩擦力が向上し、緩みにくくなる

ばね座金は基本的には下の図のように、平座金とセットで使われます。

ところで、何故セットで使われるのでしょうか?

「そういえば、そういう風に使うものとしか思ってなかった・・・」
という方も多いのではないでしょうか。

今回はその理由についてお答えいたします。

ばね座金は、平座金とセットで使用しないとダメ

結論をいうと、基本的にばね座金は、平座金とセットで使用しないとダメです。

その理由は、母材を損傷させてしまうためです。

ばね座金は、平座金のように、平な形状をしていないため、
ばね座金のみでは、ボルト・ナットの締め付け力を、母材へ均等に伝えることができません。

つまり、締め付け力が「強い場所」と「弱い場所」といったように、偏りが発生します。

締め付け力が強い場所では、母材がそれに耐えられずに損傷しますし、
締め付け力が弱い場所では、摩擦力が緩み止めとしてほとんど寄与しません。

また、ばね座金の外径は、平座金の外径に比べて小さいため、
母材に対して、局所的に強い力がかかりやすく、母材を損傷させやすいです。

一度損傷した面は、摩擦力が発生する面が適切でなくなり、
ボルト・ナットが非常に緩みやすくなってしまうので、
二度と使用することができません。

二度と取り外さないのであれば、ダメではない

ばね座金のみを使用して、ボルトで母材と締結したとき、ばね座金は母材に食い込んでいます。
そのため、1回こっきりの締結であれば、ばね座金が母材に食い込んでいることによって、
ある程度は、緩み止め効果を発揮いたします。

ただし、

  • 組立と分解とを、繰り返す場合
  • ボルトの締結位置を微調整しながら組立てる場合

は、母材の損傷した部分にボルト・ナットを締め付けることになりますので、
ばね座金のみで使用するのはオススメしません。

もっと効果的な緩み止め対策がある

ばね座金は、緩み止めに効果があるという意見はあります。
しかし、これについては定量的なデータが少ないです。

むしろ、振動試験をしてみると、ばね座金をいれてもボルトが緩んでしまったというデータの方が多いのです。

また、もっと効果的な緩み止めの方法があるので、
「平座金を使わず、わざわざばね座金だけを挿入する」ことに意味がないのです。

実際のところ、ばね座金を入れることによる効果は

  • ボルトの緩みの進行を少し遅らせる
  • ボルトの落下止め
  • 軽負荷の場所の、ボルトの緩み止め

といった程度でしょう。

ボルト・ナット締結をする場合は、
緩み止め用のナットで対策をするのが一般的です。

また、ナットを使用しない場合や、母材にナットを溶接している場合は、

  • 歯付き座金の使用
  • ノルトロックワッシャの使用
  • おねじに「ボルト用接着剤」を塗布してから締める

などの対策が挙げられます。

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