この記事を読むべき人
こんにちは、リヴィです。
普段は機械設計として仕事をしています。
私はもともと新卒で大企業に就職し、そこで機械設計の仕事をしていましたが、5年強勤めた後にベンチャー企業へ転職し、今に至ります。
別の記事にて私は、自分の転職の体験を元にした「ベンチャー企業と大企業との違い」について解説しました。
この記事では、「違いの解説」とはいいつつも、ベンチャー気質な私の性格上、ベンチャー企業のメリットが目立つように書いています。
ところがその一方で、ベンチャーに来ても「あぁ、やっぱりこういうところは大企業にいたときとあまり変わらないんだなぁ」と感じるところもあります。
なんとなくご察しのとおり、どちらも「サラリーマンであることには変わりない」というのが理由の一つですが、
それ以外にも、「会社という仕組みそのもの」が理由になっているようなこともあります。
なんとなく「今働いている会社に不満がある」という人は多いと思いますが、
と考えを深めることは非常に重要です。
転職を考えている人は年々増えてきていますが、勢いや一時的な感情に任せていると「じゃあ、転職したら解決するの?」という視点が抜けやすくなります。
おそらく経営者の方からしてみれば「そんなもん、当たり前やん!」と思うこともあると思いますが、
特に他の会社の事情を知らないサラリーマンや、社会人を経験していない学生さんの中には、気になっている人もいるかと思います。
そこで今回は私の経験を元に、「大企業にいても、中小企業・ベンチャー企業に来ても変わらなかった共通点を4つ」解説していきます。
この記事を読んで、「自分の思い通りに働けると思って就職・転職したのに、全然思ったとおりじゃないわ・・・」「もっと、違う感じで働きたかった」なんていう後悔がないよう、役立てていただければと思います。
ベンチャー企業は、大企業に比べてチャレンジングな文化であるし、社内規則やルールなどの変更がききやすいことは間違いないかと思います。
ですが、かといって何でもかんでも好きなように仕事はできません。
なぜなら、大企業で働くのもベンチャー企業で働くのも結局はサラリーマンであることには変わりないからです。
サラリーマンである以上は会社のピラミット構造からは抜け出せません。
そのため「設計業務」でいえば、
などの要望を叶えるためには、大企業の場合は主に部課長や人事に、中小ベンチャーの場合は主に経営陣の判断に委ねられることになります。
また、「会社での働き方・勤怠関係」についても、
などの要望がある場合は、会社と交渉したり、承認が必要だったり、一部妥協したりする必要があります。
もしこういった要望が叶わなければ、その企業に就職する限りは諦めるしかありません。
要望の中には、「多くの企業で受け入れられやすいもの」から「ほとんどの企業で受け入れられないようなもの」までピンきりです。
それらの中で、色んな会社に言ってもなかなか要望を受けてもらえず、それでも「完全に自分の好きなように、やりたいようにやらせてほしい!」という人は、ベンチャーへの転職ではなく企業をして、自分がルールを作る側になったほうがいいです。
ただし、ベンチャー企業は大企業と比較すると
といったことがあり、そういった交渉は、大企業よりもベンチャーの方がやりやすい傾向にあります。
大企業などですと、面接相手が「採用担当者」や「人事」であることが多く、「迷ったらNO!」と答える人がいたり、「確認します・・・」と言われてからやたらと時間がかかったり、無難な回答しかしない人だったりすることが多いです。また、社内の制度を変えてほしいと話をしても、社員数千人への影響を考えたり、労働組合と協議したりなどするため、平気で年単位かかります。
大企業でもベンチャー企業でも、規模の大きなプロジェクトに取り組むためのハードルは高いです。
そのため、大規模なプロジェクトは一つ一つの業務に巨額のコストがかかります。
ということは、一つの失敗で数十万・数百万単位で吹っ飛ぶことも普通にありえるのです。
例えばホリエモンが出資している「インターステラテクノロジズ」という民間のロケットメーカーのような事業は、夢があって人気も高いですが、
そういったことをしたいと思っても、大企業・ベンチャー問わず、実力や技術力だけではなく、運もかなり必要です。
中でも政府案件に多いのですが、
については、ベンチャー企業ではなく大企業に就職しないと、携わることは不可能に近いです。
また、「機械化をすることで現状の問題が解決できる」などといった技術的要素を持ち合わせていたとしても、利益が得られる仕組みができていない市場の小さな分野はハードルが高いです。
例えば、地方の鉄道会社なんかは代表的です。
テレビでたまにやっている「無人駅」「秘境駅」なんかは、利用者が2~3日に1人いるかいないかレベルであるため、
運営する鉄道会社は、電車を走られば走らせるほど赤字が膨らんでいっている状況です。
でも、利用者は0ではないため、鉄道事業をやめてしまうとその人は完全に孤立してしまい、買い物に行くことも、病院に行くこともできなくなってしまいます。
「引っ越せばいいじゃん!」という人もいるかと思いますが、高齢者の場合、引っ越しは心理的なハードルがめちゃくちゃ高いです。
こういった事業を運営する鉄道会社は、最終的には
といったことに迫られていたりします(参考:2016年8月10日 ビジネス+ITより)。
現状の技術を組み合わせれば改善できそうな気はしますが、画期的な機械を開発したとしても、それを売るお客さんの財布は空っぽだったり、そもそもインフラが整備されていないことも普通なので、製品が売れないのです。
お客さんが製品・サービスを買ってくれないと会社は潰れてしまいますし、特に機械メーカーは景気敏感であることを踏まえると、こういった市場の小さい分野はどの企業もやりたがらないです。
たまに、「会社」ではなく「大学の研究」として取り組んでいるところもありますが、
研究者は、「0から1を作る」のが得意でも、「1を10や100」にするのが得意じゃない人がほとんどなので、社会に普及させるのは難しかったりします。
「技術だけでは解決できない」というこのような問題は、「少子高齢化」「人口減少」が深刻な日本では、探すと結構出てきます。筑波大の山海教授や落合教授なんかは、技術研究・製品開発だけではなく、仕組みづくりの方にも力を入れていますよねー!
大企業に勤める人の中には社内政治に嫌気が差しているという人もいるかと思いますが、ベンチャー企業でも社内政治はあります。
社内政治にも色々あるかと思いますが、例えば
こういったことは普通にあります。
社内政治がうまくない人を見ていると、いつも誰かと口論をしていたり、仕事でやたらと空回りをしていたり、何度も何度もやり直しをしていたりしていることが多いので、意外と侮れません。
しかし、社内政治に時間をかけすぎると、それはそれで問題です。
本来ビジネス・事業というのは「お客さんのために尽くす、お客さんの問題を解決する」のが本筋なのに、社内政治のせいでいつの間にか「上司や役員のために尽くす、上司や役員が気に入りそうなことをする」のが主眼になってしまうことがあります。
自社でしか通用しない「謎のスキル」ばかりが身について、本来設計者に必要不可欠な技術力やスキルが陳腐化するし、お客さんや市場に求められていない製品ばかりが出来上がることになるので注意が必要です
大企業にいたときには役員に対する忖度が強い文化だったので、管理職10人ぐらいが半日ぐらい会議室にこもって「役員にどう報告するかをみんなで考える会議」なんていう、意味のわからない会議が普通に行われていましたからね・・・。もちろん「客先の役員」じゃなくて「自社の役員」ですよ!?
ベンチャー企業でも社内政治があるとはいえ、役員・社員全員との距離感が近いし、関係者の人数も限られているので、大企業のときのような「不毛だなぁ」と思う気持ちになる頻度は少ないです。
これはチームで仕事する以上仕方がないことですが、「報連相」や「スケジュール管理」については非常に重要なことです。
みなさんの会社でも、「日報」や「定例・ミーティング」があると思いますが、それらを通して経営陣・上司は以下のことを気にしています。
たまに「日報」や「定例・ミーティング」の最大な目的を勘違いしている人がいます。
「○時~○時 内容:xx」を淡々と報告している人がいますが、「日報」や「定例・ミーティング」は「私はちゃんと働いていますよー!」というアピールをする場ではありません。
経営陣・上司は「勤務の実態」よりも「成果・問題の早期発見」を求めているので、「日報」「定例・ミーティング」では「現状の成果・問題の有無」を伝えなければなりません。
この「現状の成果・問題の有無」を伝えられる能力こそが、ビジネスマンに求められる「コミュニケーション能力」の一部です。
「勤務の実態」しか書かれていない日報は、「報告書」というよりも「日記・感想文」に近かったりします。経営陣・上司とっては何も役に立ちません。
ちなみに「アイデア・考える系の業務の途中経過」をアウトプットするのは難しいですが、私はそれでも「何を目的として、どんな資料を調査していたか」「コピー用紙の裏に漫画絵を描き、どんなイメージで進めているか」などを毎日示すようにしています。
今回の内容についてまとめると以下の通りとなります。
ちなみに大企業からベンチャー転職した私ですが、100点満点ではないにしろ、やはりベンチャーに来た方が自分にとっては良かったと感じています。
みなさんも、自身の社会人生活について振り返ってみてはいかがでしょうか。
今回は以上となります。ご一読、ありがとうございました。
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