ニッパーが欲しいなぁって思っているんだけれど、何かおすすめがあったら教えて下さい。
このように考えている方へ、お答えしていきます。
私は普段機械メーカで設計の仕事をしています。
設計といえどもたまに現場に行くこともあるのですが、番線を切ったり、結束バンド(ケーブルタイ)を切ったりすることがあるため、自前のニッパーを持っていくようにしています。
ニッパーは機械屋はもちろん、電気屋さんも使用することが多いですし、また日常生活においてもたまに使用することがあります(私のおじいちゃんは、ニッパーで爪を切ったりしていました)。
そのため、身近に最低でも1つは置いておきたい工具の一つです。
ただし、実際ホームセンターに行ったり、ネットで少し調べてみたりすると、ニッパーにも様々な種類があることがわかり、どれを買ったらいいのか迷う人がいるかと思います。
そこで今回は、ニッパーの選び方について解説をしていきたいと思います。
職人さんの多くも「作業効率は工具で決まる」と言っているので、今回の記事を参考にニッパーを購入を検討してみてください。
ニッパーの購入を検討する時にまず決めてほしいのは「何を切るのに使いたいか」です。
以下のような用途から、あなたが使用しようとしている状況に最も近いものを選び、それに適したニッパーを選択するのが良いかと思います。
ちなみに、どんな用途にも対応できるようなオールマイティなニッパーも中にはありますが、「帯に長し襷に短し」という状態になりやすいので、用途別に分けて専用のものを使った方が便利だったりします。
番線や針金のような硬めの金属を切る場合「切断能力」と「刃の耐久性」が高いニッパーを使用しましょう。
番線や針金はそもそも硬くて切断しにくいので、これらを切断する用のニッパーはとにかく「切れること」に特化している必要があります。
また切れ味が良かったとしても、硬いものを切っていくと、ニッパーの刃が次第にこぼれていってしまいますので、刃の耐久性も重要な要素となります。
これらの要素を両立させるために「刃が両刃」「刃が分厚い」「硬い材質を使用」といった特徴を有しております。
なお、ニッパーのサイズが大きいほど、小さな握力で切ることができるので、ニッパーのサイズが200mm以上のものがおすすめです。
番線や針金用のニッパーは、切断後の切断面が潰れて尖りやすくなります。
切った後に番線や針金の先端を適切に処理をしないと、思わぬ怪我のもとになります。
私も何度か番線の先端に作業服の裾を引っ掛けてしまい、作業服を破いてしまったことがあります。
そのため切断した番線・針金は、先端が飛び出ないように上手く仕舞をするか、先端をヤスリで擦って滑らかにしておきましょう。
導線や配線になどに使うニッパーは、絶縁被膜を剥げるものがおすすめです。
殆どの場合において、導線や配線をカットした後は、先端の被膜を剥がして、端子やコネクターを取り付けるためです。
一応、被膜を剥がす専用の工具である「ワイヤーストリッパー」というものがあるのですが、いちいち工具を切り替えるのも面倒ですし、工具箱もかさばります。
被覆が向けるニッパーを使えば、刃を閉じた時に一部隙間ができる部分を使って被膜を剥ぐことができます。
被覆を剥くのを、たまに普通のニッパーやカッターナイフでやってしまうような人もいますが、それでもたまに失敗することもあるので、こういった便利な工具を使うほうが確実です。
導線や配線は、番線や針金ほど硬くはないので、そこまでゴツいニッパーは必要ありません。
どちらかというと、切断面の綺麗さが重要となります。
番線・針金用のニッパーで切断できないこともないですが、導線の先端が潰れやすく、素線が不揃いになりやすいです。
ニッパーの大きさについても、基本的には150〜175mm程度あれば十分だったりします。
ただし、太めのケーブルを切断したい場合には、切断能力が高めのニッパーを選ぶのが良いかと思います。
結束バンドやプラモデルなどの用途に使うニッパーは「切断面の綺麗さ」が重要となります。
結束バンドではロック部から切断面がはみ出さないように切断することで怪我の防止になりますし、プラモデルの場合はパーツの面できれいにカットできるとヤスリがけの手間を大きく削減することができます。
切断面をきれいに仕上げるには「刃が片刃であること」と「刃が薄い鋭角になっていること」が大切です。
「一番切断能力の高い番線・針金用のニッパーを買っておけば、何にでも使えるじゃん!」と思う人がいるかも知れませんが、番線・針金用のニッパーでプラスチックは切らないほうが良いです。
番線・針金用のニッパーは切断面が潰れやすいですが、この潰れたところを起点としてプラスチックが割れてしまいやすいのです。
切断面がきれいになるということは、切りたい箇所以外にはほとんど力をかけていないということですので、切断面のきれいなニッパーはプラスチックのような強度が弱い材料の切断に適しているのです。
結束バンド・プラモデル用のニッパーは、120〜150mm程度の大きさが使いやすいです。
これらの切断をするには、さほど握力は必要とならないので、小ぶりのもので十分です。
また、小ぶりの方が工具箱への収納にも困りにくいです。
電子工作で、部品のカットをする際に使用するニッパーは「刃が小さいもの」と「刃が斜めのもの」を選ぶのがおすすめです。
電子工作の部品は小さいものが多いので、小ぶりでサクッと切れるものがよいです。
また、刃が斜めになっていることによって、ニッパのグリップの部分が基板に鑑賞することなく、刃を狭い隙間に差し込みやすいのです。
ニッパーの中には、戻しばねが付いているものがあります。
戻しばねが付いていると、ニッパを閉じた後、手をゆるめると勝手にニッパーが開くため、ものを連続してカットする際にかなり楽になります。
ただし、バネの力によってニッパーの刃が常に開きっぱなしになるので、工具箱に収納しにくくなるというデメリットもあります。
ダイソーやSeriaなどの100円均一に行くと工具コーナーがあり、そこにもニッパーが売っていたりします。
ですが、こういったニッパーの購入はあまりおすすめしません。
それよりもホームセンターに足を運んだり、通販を利用して工具メーカーや取扱店から購入する方が良いです。
その理由は次のとおりです。
100円のニッパーは、最初の方はまぁまぁ切れるのですが、少し使うとすぐに刃がこぼれてしまいます。
そのため「刃で切る」というよりは「力技でちぎる」といった感じになるので、余計な力が必要な上に、切断面がきれいになりません。
結局はニッパーを買い直すことになりますので、手間がかかりますし、ストレスも感じることになります。
ただし、ニッパーの刃の切れ味をわざと悪くして、ピンセット代わりに使うのであれば、100円均一ニッパーが良いかもしれません。
100円均一のニッパーの中にはバネ付きのものがありますが、このバネが非常に壊れやすいです。
そもそもバネの線径が細く強度的に不安が残りますし、さらにバネの両端は固定が不十分なので、バネが外れてしまうことが多いです。
これでは、せっかくバネありのタイプを買ったにもかかわらず、それが台無しになってしまいます。
今回のポイントについてまとめると、以下の通りとなります。
以上となります。この記事を参考に、ニッパーを選定していただけると幸いです。
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