材料力学の参考書を買おうか迷っているのだけれど、よく見る日本機械学会のテキストってどうなのかな。
このような疑問を持った人へ、お答えしていきます。
こちらは、材料力学の参考書の中で最も有名な本です。
専門学校や大学の授業、会社の研修テキストとしても使用されていることがあり、また本屋に行くとしばしば見かけることができる本です。
この本は私も愛用しておりますが、このような人にオススメの本です。
また、この本についての個人的な感想・レビューを、良い点・悪い点としてまとめました。
参考にしていただければ幸いです。
実物の写真がそこそこ掲載されておりますので、解説がされているページの知識が、実際のものづくりでも役に立つものであることがよくわかります。
写真は、様々な機械メーカーから提供されたもののですが、普通は著作権や企業秘密等の関係で、なかなか写真を掲載することができません。
これは、日本機械学会という、日本で最大級で、権威のある学会が出版しているからこそできることだと思います。
材料力学で使う応力やひずみの公式や、三角関数などの数学公式について冒頭や巻末に一覧で表示されています。
材料力学では特に、断面二次モーメントや断面係数の公式を調べることが多いので、巻末にわかりやすく一覧になっているのは嬉しいポイントです。
また、文字式だけの問題ばかりを解いていると、現実のものの物性値はどの程度の量なのかという感覚が身につきません。
そのため、物性値が載っているのも嬉しいポイントです。
例えば、鉄の密度はどれぐらいかと言われたときに、パッと値が出てくる方が、ものづくりの設計では圧倒的に有利です。
「スマホやパソコンで調べればいい」という意見もありますが、ついでにツイッターやユーチューブを見てしまうという危険があるため、自己管理をちゃんとする必要があります。
本書には「〇〇について知りたい方はxx章の順番で学習してください」といったロードマップが示されております。
自分が知りたい内容や、自分のレベルに合うように本が設計されているので、必ずしも頭から順番に読む必要がありません。
また、「〇〇のときにxxをする必要があるから解説する」といった書きっぷりで解説されているので、
ハードルが高めの参考書によくある、「結局、何の話をしているかわからない」ことがほとんどなく勉強することができます。
本書はどのページも、幅の2/3が本文、1/3が図や補足になっています(下図を参照)。
多くの参考書はだいたいページの下の方に書いていますが、それだと補足を読んだ後に、本文の続きに戻るのに少し時間がかかり、若干ストレスを感じます。
本書のような構成は、本書がB5版と、普通の参考書よりもサイズが大きいからこそできるのかもしれません。
演習問題が多く、学んだ内容を使ってすぐ問題を解くことができます。
そのため、学校の定期テスト対策や、院試対策などでも活躍してくれます。
このテキストのサイズは、B5版(ファッション雑誌ぐらい)の大きさです。そのため、持ち運びをするときには、必然とこれが入るぐらいのカバンが必要となります。
また、本棚に収納するときも、世の中のほとんどの参考書がA6版なので、本書を収納するためだけに本棚の高さを確保したり、別の場所に収納しないといけなくなったりします。
これもB5版であることによる弊害の一つです。
図書館の自習スペースなど、広いスペースを確保できるのであれば良いですが、カフェなどの小さめの椅子では、本書を広げると、ノートを広げるスペースがほとんどありません。
また、基本的にカフェではメニューをlつ以上注文する必要があるため、余計にスペースがありません。
ちなみに私は、膝の上に広げて勉強をしていましたが、おかげで姿勢が悪くなりました。
せっかく例題などが掲載されていても、それがなぜか英語で書かれていたりします。
全体の演習問題のうちの、およそ1/4が英語です。
英語自体は、多少の専門用語はあるものの、理解できないほどではなく、問題もそこまで難しいものではありません。
「ついでに英語の勉強もできる」と、ポジティブに捉えられる人は問題ありませんが、
「英語を見るだけでやる気をなくす」という人は、演習問題だけは別の参考書を使うのも一つの手だと思います。
本書の演習問題は、大きく分けると「例題」と「章末問題」との2種類があります。
しかし、章末問題には解答は掲載されているものの、その解説が掲載されておりません。
これは「丸暗記で勉強しようとする人に対する対策」や「解答までたどり着く方法は1つではないという訴え」とも読み取れますが、その問題が理解できなかったときに、打つ手が無くなります。
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