機械要素について調べていると、ちょこちょこ「〇〇ねじ」っていうのがあるんだけれど、ねじって結構色んな用途に使われていたりするのかな?
このような疑問を持った人へ、お答えしていきます。
私は普段機械メーカーで設計の仕事をしています。
仕事を始めた頃は機械については全く知識がなかったため、とりあえず手当り次第に機械要素を覚えようと、調べまくっていました。
私の場合はミスミなどの総合カタログを見ながら、それぞれについてどのような用途で使うのかを勉強していましたが、
総合カタログを見ると「〇〇ねじ」と呼ばれる機械要素がそこそこあることに気が付きます。
ねじの用途と言えば「部品同士の固定」と想像する方が大半だと思いますが、実はねじの用途はそれだけではありません。
そこで、今回は「ねじはどのように使われているのか?」についてお話いたします。
今回の記事を参考に、機械設計のアイデアを広げるのに役立てていただけると幸いです。
これは最も一般的な用途です。
雄ねじの部品と、雌ねじの部品とを連結させて使う場合もありますし、
雄ねじと雌ねじの部品の間に、別の部品を挟み込むことによって固定する場合もあります。
雄ねじは六角ボルトや六角穴付きボルトを使用することが多く、雌ねじは六角ナットを使う場合と、部品自体に雌ねじ加工をする場合とがあります。
ただよく勘違いされますが「単に穴にねじを引っ掛ければ、うまく部品を固定できる」というのは誤りです。
ねじの部品同士の固定原理については、以下の記事をご参考ください。
ねじは回転を直動へ変換させることができることを利用して、配管の通り口を開けたり塞いだりすることで、空気や液体の配管の流量を調整することができます。
一番身近なのは、水道の蛇口ですね。
最近の家庭では、レバーの上げ下げで、水道から水を出し締めするものが多いですが、
学校の校舎や公園などの蛇口では、ねじ式が使われていることが多いです。
こちらは、普段機械設計をしている方向けです。
たとえば、「テーブルを水平に設置しなければならない」というときに、
テーブルの4つの脚についている、ネジ付きのパッドを回すことで、
それぞれの脚の高さを微調整します。
また、センサーの位置の微調整をするのにも、使われたりします。
「調整ねじ」「位置決めボルト」「アジャストボルト」「ジャッキボルト」などといった名前の部品がこれに該当しますね。
ミリ単位での微調整が必要な場合は、細目のねじを使うと便利です。
こちらも、ものづくりの仕事をしている方向けかもしれません。ねじの位置が動かないようにしつつ、ねじを回していくと、ねじがはまっている部品を直線運動させることができます。
わかりやすいのは、旋盤の工具の送りなどですね。
旋盤というのは、円筒形の部品を削るための機械で、部品を旋盤に固定して高速で回転させ、そこに工具をあてると、部品を削ることができます。
刃物を固定した台についているハンドルをクルクル回すと、工具が部品に直線的に近づいていきます。
最近では、工場自動化がハヤりな関係で、モーターの需要が伸びていますが、モーターの回転運動を直線運動に変換するのに、ボールねじというねじ部品が使われます。
「電動アクチュエータ」「電動シリンダー」
などと呼ばれることが多いですが、そのカバーをあけてみると、モーターとボールねじが入っています。
今回の内容についてまとめると、ねじは以下の用途を大きく分けると以下の通りとなります。
今回は以上となります。ご一読、ありがとうございました。
ものづくりのススメでは、機械設計の業務委託も承っております。
ご相談は無料ですので、以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
機械設計の無料見積もり
機械設計のご依頼も承っております。こちらからお気軽にご相談ください。
構想設計 / 基本設計 / 詳細設計 / 3Dモデル / 図面 / etc...
ボルトを使った固定方法とその特徴
「ばね座金のみ」「ばね座金だけ」の使用がNGである理由