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機械が正常に動かない、このようなトラブルが起こったことはありませんか?
機械が止まったままだと、仕事が止まってしまうので原因を特定してすぐに復旧させないといけません。
このようなとき、電気的に不具合がないかを確認するときに使われる測定器が「テスター」です。
テスターは電圧・電流・抵抗などを測定できます。
といったような可能性が考えられるので、そこから原因を特定していきます。
その中で、電気的な不具合の有無を特定するときにテスターを使用していきます。
電気が流れているかの確認は、テスターがあればすぐできるので、テスターは現場でよく使われています。なので、メンテナンスには必需品です!ぜひ工具と一緒に持って行ってくださいね。
このように、テスターを使えるかどうかで、メンテナンスの原因特定の早さが雲泥の差になります。
機械の故障原因を早く見つけて対応できるエンジニアは、お客さんから非常に信頼されますよ。
この記事では、テスターの基本的な操作方法に関して解説します。
機械の組立やメンテナンスのとき、ぜひ参考にしてください。
テスターは、表示の違いで二種類あります。
表示がデジタルの「デジタルテスター」と、アナログの「アナログテスター」です。
デジタルテスター | アナログテスター | |
---|---|---|
測定値の読み方 | デジタル表示 | アナログ表示(目盛と針) |
正確性 | 小数点以下も表示できる | 針の振れで、測定者により測定誤差がある |
導通確認・温度測定の機能 | ある | ない |
電池 | 必要 | 不要(電圧・電流の測定時のみ) |
電圧の測定の方法について、解説します。
電圧は交流(AC)と直流(DC)の二種類あり、測定前にどちらに該当するか確認してください。
直流・交流の違いをまとめてみました。
交流(AC) | 直流(DC) | |
---|---|---|
プラス・マイナス | なし | あり |
実例 | 乾電池 | 100Vコンセント |
直流・交流がわからないときは、プラス・マイナスがあるかで判断してみてください。
たとえば、乾電池は、入れるときに向きがありますよね。向きがあるので、プラス・マイナスがあり、直流になります。
100Vのコンセントを差し込むとき、向きを気にする方はいないのではないでしょうか。そもそも向きがないので、プラス・マイナスがなく交流になります。
テスターを使用するときに、気を付けるべきポイントを確認しましょう。
直流電流の測定の方法について、解説します。
電流測定の場合は、回路を触る必要があります。テスターを、直流に接続する必要があるからです。
間違った接続は、故障の原因にもなるので注意して行ってください。必ずテスターの接続が終わってから、回路に電源を入れてください。
抵抗値の測定、導通確認について、解説します。
導通確認をする方法は、「導通テストモード」と「抵抗モード」の2つがあります。
導通テストモードにおいては、以下の通りに導通確認ができます。
導通テストのモード | 判断 |
---|---|
抵抗値が0Ωに近い表示 | 導通している |
「OL」や「無限大」の表示、無限大に近い表示 | 導通していない |
一方、抵抗モードでは以下の通りに導通確認をしていきます。
抵抗モード | 判断 |
---|---|
音が鳴る | 導通している |
音が鳴らない | 導通していない |
テスターを使用するときに、気を付けるべきポイントを確認しましょう。
機械の電源が入力されているかの確認は、電圧を測定します。
100V電源の機械が動かない場合、コンセントを確認します。直流・交流かを確認し、測定箇所にテスト棒の赤と黒をあてます。
100V入力されている場合は、機械に電源が入っているので、原因は機械内部と判断が可能です。
100V入力されていない場合は、コンセントに不具合の可能性があります。コンセントの確認、差込口を変えるなどの対応が必要です。
配線やヒューズの不具合がないか、判断できます。
たとえば以下のような状態のとき、テスターを使うと簡単に不具合がないか確認ができます。
配線・ヒューズも、導通テスト・抵抗のどちらのモードでも確認が可能です。
確認したい配線・ヒューズの両端に、テスト棒の赤と黒をあてます。判断基準は、さきほどの導通確認と同じ条件です。
導通している場合、配線とヒューズの内部でつながっているので、不具合がないと判断できます。
配線が単線でなく、いくつか本数が入った多芯の線の場合は、同じ色同士を1本ずつ確認してください。
ON/OFFを切り替えるブレーカやスイッチは、正常かの判断がテスターでできます。
導通確認で、スイッチの切り替えたときに、スイッチの内部も切り替わるか確認します。
スイッチに接続している配線の両端に、テスト棒の赤と黒をあてます。スイッチを切り替えすると、導通の有無が切り替わるか確認してください。
スイッチを切り替えによって導通の有無が切り替われば、スイッチが正常と判断できます。
たとえば、スイッチを何度切り替えても導通なしから変わらない場合、スイッチの内部で切れた状態になっている可能性があります。
可変抵抗器の確認は、名前の通り抵抗が変わるかどうかで、正常か判断できます。
まず、可変抵抗値の抵抗値を確認してください。たとえば、「東京コスモス RV30YN20S B302」の場合で解説します。
型番や、ものによっては可変抵抗器に「B302」などの記号が書いています。
この場合、「302」は「3」と「10×10の2乗」を意味し、可変抵抗値の抵抗値が3kΩとわかります。
可変抵抗器の端子は3個あり、抵抗値の測定は1と2、もしくは2と3で測定をおこないます。
テスト棒の赤と黒をあて、可変抵抗値のボリュームを回します。最小と最大のときに、抵抗値も追従して0Ωから3kΩに変わるかどうかで判断が可能です。
抵抗値も0Ωから3kΩに変わらない場合、ボリュームが回っていないか、内部で故障している可能性があります。
テスターを使用するときに、4つの注意点について解説します。
テスターは精密機器です。正しく使用するためにも、測定前に確認しましょう。
直流を測定する場合、プラスとマイナスがあります。
テスト棒の赤と黒が逆になったり、プラスとマイナスが間違っていたりしないか確認してください。プラスとマイナスが間違えると、テスターに負荷がかかり故障の原因となります。
電圧・電流の測定モードは正しいか確認してみましょう。
テスターで最もよくある事故の原因は、電流と電圧のモード設定が間違いです。モード設定が間違ってしまうと、テスター内のヒューズが飛び、テスターの発火などにつながる原因にもなります。
測定レンジは、テスターの最大値の数値もしくは、測定箇所で想定される数値より大きい値にあわせます。たとえば、100Vを測定するときは、100より大きい数に設定してください。
数値範囲がないテスターは、オートレンジ対応です。設定は、直流・交流のみで使用可能です。
測定モードによって、回路の電源の有無は異なります。
電圧と電流測定のときは、回路の電源を入れます。逆に、抵抗測定と導通確認のときは、回路の電源を切ってください。
抵抗の測定のときに、電源が入った状態でテスターを使用すると、ショートしてしまいます。場合によっては、ブレーカが落ちたり、基盤等の故障する可能性もあります。
テスト棒先端の金属部分同士が触れていないか、確認してみましょう。
電圧測定のときに、赤と黒のテスト棒が触れてしまうと、ショートしてしまいます。測定時には、テスト棒に触れないように注意してください。
測定するときは、必ずテスト棒の絶縁部分をもってください。テスト棒の先の金属部分に触れなければ、電気は流れません。
【初心者向け】電気回路図の読み方解説