この記事を読んで欲しい人
こんにちは、あんりといいます。
私は普段、機械メーカの電気回路設計の仕事をしています。
ところで機械を作るためにはメカと電気の知識が必要で、双方の担当で協力して機械を作っています。
メカと電気で分担していることもあり、両方の知識を持った人は少ないのではないでしょうか。
私の経験上、電気の知識も持ったメカの人は少ない印象です。
メカ担当の人に、電気の知識を聞いてみると
といった意見があります。
メカ担当の一部の人から、電気関係で機械の調子が悪い時は、
わからない時は電気の専門の人に聞くから、メカの自分に電気の知識はいらない。
との考えもあると思います。
確かに専門の方に聞くのが、一番早くて効率がいい方法です。
けれど、例えば休日・早朝・深夜などや、外出先で修理・問い合わせを受けた時は担当者に聞くことができません。
自分が何もできずに、専門の人をまた連れてくると解決までの時間もさらにかかります。
顧客は「何も対応してくれない」と不信感を持ってしまいますし、
顧客や後工程にもさらに迷惑がかかってしまいます。
顧客はあなたがどの分野に詳しくないとか、新人・ベテランとかは関係ないんです。
ただ、すぐに機械の不具合を対応して機械を動かして欲しいんです。
そこでこの記事は、初心者向けに「電気回路の読み方」を解説していきます。
この記事を電気回路図を読むときに参考にして頂けたら幸いです。
一つ目は実体配線図です。これは、実際の部品の形や配置、線を示した図です。
例えば、停止ボタンにつないでいる線は図の赤丸を見れば、左に1本、右に2本線がつながっていることがわかります。
実体配線図は、部品のどの端子につながっているか知ることができます。配線のつながっている端子の箇所が正しいか確認したい時、配線が外れてしまって配線をつなぎたい時になどに便利です。
デメリットとしては、部品が多くなってくると線も多くなり、見にくいことです。
上記の図のように、確認したい線はマークしながら確認する、回路図の読み方に慣れてきたら次の展開接続図を使ってみるのもおすすめです。
そして、もう一つの図が展開接続図です。線や記号を使って、部品同士がどのようにつながっているのかを表しています。
これを見ると、回路の動きや配線の確認ができます。
例えば停止ボタンは、図の赤丸を見ればどの部品とつながっているかがわかり、電磁接触器と運転ボタンに線がつながっていることがわかります。
上記で電磁接触器は3か所ありますが、すべてあわせて一つの部品になります。
電磁接触器の記号は複数の組み合わせになっているので、読むのになれが必要かもしれません。
展開接続図は、回路の動きを知ることができます。どの部品に電気が流れてモータが動くか知りたい時、ランプが点灯しないのはなぜか知りたい時などに便利です。
デメリットとしては、読み方のルールがあることです。
しかし、ルールさえ理解すれば部品が多くなっても読みやすいとメリットもあります。
電気図面は、電気記号を組み合わせて作られています。記号で記載することで、部品の種類や接続方法などを早く把握できます。
電気記号は地図でいう地図記号です。電気記号はJISで決まっており、新JISと旧JISがあります。
図面によっては旧JIS記号になっているものもあります。
名称 | 図記号(新JIS) | 図記号(旧JIS) |
電源・乾電池 | ||
アース | ||
スイッチ | ||
ランプ | ||
導線・配線 | ||
接続点 | ||
電磁接触器 |
機械の電源(コンセント)は、回路図の左上に書いています。
通常、回路図で電気は「左から右」そして「上から下」に流れるため、機械の電源が一番初めに電気が流れる箇所になるからです。機械の電源を探している場合は、回路図左上を探してみてください。
例えば、機械の電源の下にブレーカがあり、ブレーカの下に電源スイッチがある回路で解説します。この場合、電源プラグをさしこんだだけで、電気は電源スイッチの入切りに関係なくブレーカまで流れています。回路図を読めると、ブレーカを触る場合は確実に機械の電源プラグを抜く必要があることがわかります。
同じ直線や同じ記号のラベルが同じ場合、それらは電気的に接続されています。
制御盤などで線がつながっているところは、一本の直線で書きます。同じ端子に線が二本上つながっていたり、二か所以上線がつながっている場合は線の途中で接続点がついています。
逆に線に接続点がなく、線が重なっているだけの場合は、線がつながっていないので注意してください。
部品によって端子の個所が複数あると、回路図に複数に分かれて書かれる場合があります。
部品にはラベルがあり、ラベルが同じなら同じ部品になります。
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