・機械設計の仕事を始めたばかりで、購入部品を手配したいんですけど、どういったところで探したらいいの?
・現場から急いで手配しろって言われているんだけれど、すぐに商品が届くようなところってどこなの?
このような疑問・悩みを持った人へ、お答えしていきます。
私は普段、機械設計の仕事をしているのですが、自分の経験や同僚の話を聞いた限り、機械設計として仕事を始めたばかりのときは、「購入品の手配」をやるよう上司から指示されることが多いです。
そこでよくある悩みが「どの部品をどこに発注したらいいのかよくわからない」ということでした。
今までは思考停止で「商社さん」や「メーカーの営業担当者さん」に丸投げをすれば対応をしてくれていましたが、特に今年の4月からは労働基準法の改正(働き方改革)に伴い、相手方の対応がこれまでより遅くなる可能性が高くなります。
相手方の対応が遅くなるのであれば、自らが動くしか無いのですが、自ら手配する経験を重ねていないと、ねじ1本でさえどこに発注をしたらいいのかがわからず、さらに至急対応が必要で時間の猶予もなかったりして、多大なストレスを感じる人が多いです。
そのような人のために、今回は設計業務や現場で役立つような機械部品や工具などを取り扱っている通販サイトを紹介していきます。
これらのサイトで販売されている部品はラインナップが豊富で、納期も短いところが多いので是非参考にしてみてください。
機械部品や電気・制御部品、切削工具、衛生用品、梱包などなど、非常に幅広く商品を取り扱っています。
おそらく微妙な仕様の違いも個別にカウントしているとは思いますが、商品の取り扱い点数は2000万点を超えます。
また、設計に役立つ技術資料をたくさん公開していますので、個人的には「JISよりもミスミのカタログを手元に置いておくべき」だと思っています。
個人的にミスミの一番嬉しい所は「機械部品のCADデータがダウンロードできるところ」です。
ある程度の商品は、2DCADや3DCADを無料で公開しているため、設計の際には非常に重宝します。
多くのメーカーでは、営業さんとわざわざコンタクトを取らないとくれないので「時間のロス」が発生したり、そもそもCADデータを作っておらず「検討のしようがない」メーカーも割とあったりします。
また多くの商品で追加工の対応までしてくれたり、「特注」の対応までしてくれたりしますので非常に便利です。
「ミスミで金属のプレートを購入の上、指定したところに穴やタップをあけてもらう」みたいなこともできますし、部品の寸法を1mmや0.1mm単位で指定できたりもします。
海外輸出品の場合でも、非該当証明書が数分で発行できるのもありがたいです。
ただし納期は、在庫品の場合は注文から3営業日、追加工品や大掛かりなものは5営業日、特注品は10営業日ほどかかったりするので、他の通販サイトに比べるとフットワークは重めです。
またボルト・ナットのような、どこでも購入できるようなものは、価格設定が高めなので、注意してください。
こちらも、機械部品や電気・制御部品、切削工具、衛生用品、梱包、事務用品などの商品を取り扱っている通販サイトです。
取扱っている商品の数は1800万点以上あります。
モノタロウのいいところが、注文してから商品が到着するまでがめちゃくちゃ早いです。
たまに、午前中に注文すると、午後には商品が届いたりします。
CMの文言どおり「現場で使うような消耗品関係」の注文に非常に役立ちます。
私が注文するのが多いのは「パーツクリーナー」「スコッチブライト」「安全用のカラーコーン」「工具セット」などです。
商品によっては、モノタロウブランドのものがあり、低価格で販売しておりますので、品質にあまりこだわりがない人は検討してみると良いと思います。
もちろん、ボルト・ナットやベアリングなど、機械部品も数多く取り扱っていますが、商品の仕様はわりと大雑把にしか書いてくれていないのが欠点です。
詳細仕様が知りたい場合は、その商品の製作メーカーのWebサイトに行って、カタログ等を閲覧するのが確実です。
一応シャフトなど、一部の商品はミスミのように1mm単位で寸法指定ができたりしますが、ブラケットなどはミスミのように寸法や穴位置の指定ができません。
またCADデータについても、一部商品についてはダウンロードできますが、ミスミほどたくさんはダウンロードできないです。
普通のモノタロウの通販サイトは、一般消費者には商品を販売しておりません。
そこでモノタロウでは、一般消費者向けとして「IHC.MonotaRO」という通販サイトを扱っております。
ただし、機械部品はあまり取り扱っておらず、作業工具・清掃用具・安全衛生用品などが中心となっております。
トラスコ中山という工具や屋外作業・現場用の卸売企業が運営している通販サイトです。
商品の種類は200万点以上で、ミスミやモノタロウよりは少なく、特に事務用品などはラインナップが少ないです。
トラスコ中山は、自社ブランドの商品も作っておりますが、これはモノタロウでも購入することができたりします。
ではオレンジブックの何がいいのかというと、ミスミやモノタロウよりも価格が安いものがしばしばあるということです。
単価の高い商品や、大量購入をするような商品は、価格が安いことがかなり効いてきますので、価格比較用として知っておくと良いかと思います。
また、モノタロウで欲しい商品の在庫がない場合に、オレンジブックで探すと在庫があったという場合もありますので、そういった場合にも活用できるかと思います。
「明日来るから、アスクル」というように、注文すると本当に明日には商品が到着します。
商品のラインナップは600万点ほどですが、特に事務用品が強く、モノタロウよりも価格が安いという印象です。
現場で図面を大量印刷したり・ボールペンで図面にメモやコメントを記載することが多々ありますので、コピー用紙やフリクションボールペン・蛍光ペンなどを注文する機会が多いです。
また、現場では頻繁に工程会議を行ったりしますので、会議用の机や椅子、ホワイトボード、マーカーなどを注文する機会も多いです。
モノタロウでは3500円以上で送料無料ですが、アスクルでは1000円以上で送料無料になりますし、最短数十分で納品してくれるので、ちょっとしたものを購入する場合でも重宝します。
実はAmazonからも機械部品が購入できます。
意外なものが販売されていたりするので、重宝します。
例えば、「ノルトロックワッシャー」や「油圧プレス」なんかも検索で引っかかったりするので、びっくりです。
機械部品は商品のラインナップを見ている限り「自動車」「自転車」「バイク」「ミニ四駆」あたりを想定しているような印象を受けます。
Amazon Primeに入会しておけば、一部の商品について即日配達の対応をしてくれます。
モノタロウよりもめちゃくちゃ多種な商品を取り扱っていますが、商社やメーカーカタログのようにサイズ一覧や寸法表がないので、部品の型式を予め調べ、ピンポイントで検索にかける必要があります。
また、商品の検索性が悪く、例えばエアベアリングの項目を見てみると、普通のボールベアリングやベアリングプーラーなどの関係ない商品ばかりが掲載されており、肝心のエアーベアリングがなかったリアします。
現場用品・事務用品・食料品などの購入に使うぐらいが良いかも知れません。
いくつかのメーカーや卸売業者の商品が、楽天経由で購入できたりします。
「あす楽対応」の商品なら、注文した次の日には商品が到着します。
楽天ポイントがかなり美味しかったりするので、買い物マラソンや、楽天スーパーセールの時期を狙えるのであれば、おすすめです。
以下に、楽天から購入できるメーカーや卸売業者の紹介をします。
機械部品や工具・建築資材・オフィス・研究用品などの卸売業者です。
伝動という名前からだと思いますが、動力伝達に使う機械部品を数多く扱っております。
びっくりしたのは、数十kWクラスのモーターや、ギアードモーター、インバーターを販売しているということでした。
ほかにも、ベアリング、ボールねじ、チェーン、スプロケット、プーリー、ベルトなども売っています。
もちろん、現場用品等も売られていますので、一度ご覧になることをおすすめします。
楽天市場から商品を購入できる、機械部品や工具・建築資材・オフィス・研究用品などの卸売業者です。
先ほどの「オレンジブック」に掲載されている商品も扱っていることから、「楽天ポイントが欲しいとき」や「楽天ポイント・クーポン」を使用する際はこちらから購入してみるのが良いと思います。
また、丸パイプ定尺4mや、材料メーカーで有名な「白銅」の材料が楽天で購入できるので、私も最初見たときはさすがにびっくりしました。
ただし、一部の商品は法人向けにしか販売していないので注意してください。
ボルト・ナット類を多く取り扱っております。
嬉しいのは、追加工や特注に対応しているところです。
おそらく楽天で購入できる販売会社の中で、追加工や特注に対応しているところはここ以外に無いのではないでしょうか。
あとは、目的の部品を探しやすいというのも大きなメリットです。
普通にモノタロウやAmazonなどで商品を検索すると、サイズなどが順不同で並んでいたりして選定しづらいので、商品を探しやすいという機能は非常にありがたいです。
一応、DIY向けレベルでしたら、他の機械部品も販売しています。
少し変わったような形状や機能を持った商品など、他の通販サイトでは取り扱っていないような商品を取り扱っています。
トラブル対応や、すでに納品した機械の改造が必要な時、オーソドックスな設計では上手くいかないことが非常に多いため、私はよくイマオの商品の採用を検討します。
また、アイデア商品が多いため「クリエイティブになりたい時、何か発想を出すきっかけがほしいとき」にも私はよく見ますし、機械好きの人にとってはカタログを読んでいるだけでも単純に面白いです。
一応イマオの商品は、ミスミやモノタロウからも購入できたりします。
ただし、商品の用途がニッチなものが多いせいか、価格は非常に高く、たまに「0を一個分間違えているんじゃないか」と思うほど高いものもあります。
なぜ自ら手配することを覚えなければならないのかというと、そのほうがパフォーマンスがいい場合が多々あるからです。
購入品の手配についてこれまでは、「欲しい商品のイメージ」や「部品の型式・仕様」を思考停止で「営業さん」や「メーカーの営業担当者さん」にお願いすれば、何日か後に商品が届くというのが通例だと思います。
のんびり仕事ができているときは別にいいのですが、納期が短かったり、現場で発生したトラブルにすぐ対応しなければいけないときには、手配を依頼した相手にメールや電話などをして「とにかく急いで!」と馬のお尻にムチを打っているのが現状だったりします。
今のところはこのような仕事のやり方でも成立するかも知れません。
ところが、2020年4月から労働基準法が改正となり、大企業・中小企業問わず長時間残業が法律で禁止になります。
そのため、どんなに急いでいて「商社さん」や「メーカーの営業担当者さん」のお尻にムチを打ったとしても、相手は法律的に業務を行うことができないため、今までに比べて対応が遅れてしまう可能性が非常に高くなります。
そうなった場合「どの部品をどこに発注したらよいか」というのを、設計者自らが行わなければならなくなります。
自ら手配を何度もした経験がある人であれば、「xxといえば〇〇社の部品が使えるかも」というノウハウ的なものを持っているので要領よく手配ができます。
しかし一方で、そのノウハウ的なものがない人にとっては、ねじ1本手配するのでさえ、どこに発注をしたらいいのかがわからず、悩んだり、ストレスを感じる人が多いです。
そして上司に相談しようにも、上司が若手だった時代は「商社さん」や「メーカーの営業担当者さん」に丸投げでOKな時代なため、上司もまたどうしたらいいのかわかりません。
なので、設計職だとしても部品の手配はできるようになっておいた方が、パフォーマンスが良くなります。
ただし、購入したい部品が特殊なものであったりする場合は、いきなりポチるのは危険だったりするので、お問い合わせフォームから問い合わせをして確認してからにするのをおすすめします。
今回のポイントについてまとめると、以下の通りとなります。
機械設計としての仕事は、「部品の手配」などの「機械設計以外の仕事」に時間を取られる事が多いです。
今回の記事を参考にしながら、部品の手配業務は秒速で終了させて、本来の設計業務にできるだけ多くの時間を割けるようにしていきましょう。
ものづくりのススメでは、機械設計の業務委託も承っております。
ご相談は無料ですので、以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
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