前回、断面二次極モーメントを導入について解説をしました。
そして、断面二次極モーメントを定義することによって、以下の関係式を得ることができました。
$$T=\frac{\tau_{max}}{a}I_p\cdots(1)$$
ここまでくれば、ねじりの応力の導出まであともう少しです。
では、ねじりの応力の求め方についてお話をしていきます。
せん断応力と、最大せん断応力の関係式の活用
ところで、前回お話ししたように、せん断応力τと、せん断応力の最大値τmaxの間には、以下の関係式があります。
$$\tau=\frac{r}{a}\tau_{max}\\
\frac{\tau_{max}}{a}=\frac{\tau}{r}\cdots(2)$$
よって、これを(1)式に代入すると、以下のようになります。
$$
T=\frac{\tau}{r}I_p\\
\tau=\frac{Tr}{I_p}\cdots(3)
$$
ちなみに、rが最大のとき、つまり、仮想断面の一番外側が最もねじりの応力が高いので、rは丸棒の半径が入ります。
極断面係数の導入
(3)式の、r/Ipの部分に着目してみますと、rもIpも仮想断面の形状によって決まる値です。
なので、このr/Ipを一つの記号でまとめます。
すると、(3)式は以下のようになります。
$$\tau=\frac{T}{Z_p}$$
これが、ねじりの応力の計算式となります。
ここで、Zpは極断面係数と呼ばれます。
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