【機械系向け】電気回路のイメージを掴むコツ

電気回路
自分、電気の勉強が苦手だったから機械系の道を選んできたんだけれど、大学卒業して機械メーカーに就職したら、結局電気の勉強が必要になってきた・・・。とりあえず電気回路の勉強を始めようかと思ったんだけれど、力学と違ってイメージが湧きづらいんだよなぁ
このような疑問を持っている人へ、お答えしていきます。 私は普段、機械メーカーで産業機械の設計の仕事をしているものです。 私は高校生の頃、比較的好きだった物理が、電磁気の分野になった途端にわからなくなったという苦い経験があります。 そのため「オレは電磁気とは一切縁を切る!」という思いで、大学では機械工学科に進み、力学を中心に勉強し始めました。 ただし、今の世の中にある機械のほとんどは電気がないと動かないので、機械系とはいえ電気の知識も身につけてる必要があります。 私のような人のためにも今回は、機械系の人にとっても比較的とっつきやすい電気回路について、まずはイメージを掴むためのコツとして、基本的な知識を解説していきます。 電気の分野が苦手な機械系の人でも、この記事を読んで電気回路の勉強に役立てていただけると幸いです。

回路に抵抗が必要な理由

電気回路見ると、だいたい抵抗が入っているけれど、なんでわざわざ抵抗を入れているの?電池がもったいないじゃん。

機械系の人の中には、このように思った人も多いのではないでしょうか。

ですが結論を言うと、電気回路は基本的に、ある程度の抵抗が入っている必要があるのです。

電気回路はよく水の流れに例えられますが、抵抗のない回路は、蛇口の栓やバルブを全て取り払って、ダムと家庭の水道とを直結するようなものです。

水道の場合、家の中が即効で海になってしまいますが、これが電気回路の場合は発火したり火花が飛び散ったりして周囲が火の海になります。

例えば、家庭用コンセントにイヤホンジャックなどを突っ込んでしまうと、100Vに対して抵抗値が0Ωに近い値しか無いので、電流値がとんでもないことになります。

このように、抵抗を経由せずに回路を形成してしまうことを「ショート(短絡)」といいます。

リヴィ
私も小さい頃にふざけて配線をコンセントに指してしまったことがありますが、ものすごい火花が飛び散り、配線が焦げました。運が悪ければ大火傷でしたので、親にコテンパンに怒られました・・・

乾電池もショートさせるとかなり危険

私達がよく見る乾電池も、ショートさせるのはかなり危険です。

ショートさせると電池内部に大量の電流が流れるため、液漏れや発火をしたり、最悪は爆発したりします。

また、故意にショートさせたら危険なのはもちろんですが、貴金属のネックレスやかばんの金具などの接触によってもショートは起こります。

乾電池はコンセントなどに比べるとかなり電圧が低いため、「コンセントがショートするのに比べれば危険が低い」というのは確かですが、危険であることには変わりありません。

「電圧降下」という言葉に慣れよう

電気回路が苦手な人は「電圧降下」という四字熟語を見ただけで気持ちが萎えてしまう人もいるのではないでしょうか。

ただし、この言葉は内容自体はそこまで難しいことではないのですが、非常に重要な概念となりますので、しっかり覚えてるようにしていきましょう。

例として、以下のように、1.5V電源に1.0Ωと0.5Ωの抵抗がそれぞれ直列につながっている場合を考えていきます。

ここで、抵抗R1およびR2にかかる電圧は、計算をするとV1 = 1.0V、V2 = 0.5Vとなります。

この段階で改めて電圧に着目すると、電源で1.5Vであった電圧は、R1で1.0V分下がり(降下した)、R2で0.5分下がった(降下した)とみなすことができます。

このように、回路中で発生する電圧の減少のことを「電圧降下」といいます。

リヴィ
水道管も、管の太さが急に細くなると、水が通りづらくなって「圧力損失」を生みます。「電圧降下」はこの「圧力損失」のようなイメージでいると、わかりやすいです。

なお、一般的に電圧降下はマイナスの符号で表すことが多いということも覚えておきましょう。

電池の向きを逆にしても電流が流れる場合がある

続いて下の例を見てみましょう。

1.5Vの乾電池を3本直列に並んでいますが、ちょっとしたいじわるをして、3つの電源のうちの1つを逆向きにしました。

さて、この回路に電気は流れるでしょうか・・・?

答えはYESです。

3本の電池のうち両端の2本は、反時計回りに電流を流そうとしますが、真ん中の1本は時計回りに電流を流そうとします。

反時計回りの向きの電圧は3.0V、時計回りの向きの電圧は1.5Vですから、この回路の電圧は3.0V-1.5V=1.5Vとなります。

日常生活からイメージすると、乾電池の向きが1つでも逆であると電気が流れないイメージがありますが、理論上は流すことができます。

ただし、家電製品などでこれをやると、故障の原因にもなりますので、やらないようにしましょう。

電球は「消費電力の大きいほど明るい」とは限らない

機械系の人の中には勘違いをしている人が多いですが、「消費電力が大きい電球は必ず明るい」とはなりません。

消費電力に対する正しい理解は、その名の通り「電力」の「消費量」です。

そのため、消費電力の高い電球ほど電気代を食うということになりますが、必ずしも明るさと関係しているとは限らないのです。

電球は「電気のエネルギー」を「光エネルギー」へ変換するものです。

ただし、電気エネルギーの全てが光エネルギーに変換されるわけではなく、いくつかは「熱エネルギー」として捨てられてしまいます。

リヴィ
白熱電球を触ると熱いのは、熱エネルギーとして捨てられてしまっているからですね。

電気エネルギーのうちのどれぐらいが光エネルギーに変換されるかという割合は、よくlm/W(ルーメン パー ワット)で表されます。

同じ変換効率を持つ電球同士を比較したときであれば、たしかに消費電力が高いものほど明るくはなります。

しかし、変換効率が異なる者同士を比べたときには、そのようにはなりません。

例えば、60Wの白熱電球と同等の明るさになるようなLED電球を選定すると、その消費電力はわずか10W強程度にしかなりません。

つまり、同じ明るさにもかかわらず、LEDの方が消費電力が低いということになります。

リヴィ
LED電球は触っても、白熱電球ほど熱くはならないことからも、変換効率が高いことがわかりますね。

消費電力が低いものから高いものへ切り替える際には要注意

電気に詳しくない人は結構やりがちだと思うのですが、電球の消費電力が高いものへ切り替えをする際には、照明器具がその消費電力に耐えられるかどうかをチェックしなければなりません。

その理由について解説いたします。

例えば、40Wの白熱電球から60Wの白熱電球へ切り替えるとしましょう。

ところで電力は以下の式で表されます。

$$P = IV$$

Pは電力[W]、Iは電流[A]、Vは電流[V]を表します。

家庭用コンセントの電圧は100Vですので、40Wの白熱電球の回路に流れる電流は

$$I=\frac{P}{V}=\frac{40W}{100V}=0.4A$$

となります。

一方、60Wの白熱電球の回路に流れる電流は

$$I=\frac{P}{V}=\frac{60W}{100V}=0.6A$$

となり、40W電球に比べて大きな電流が流れることがわかります。

電流は大きければ大きいほど発熱をします(ジュール熱)ので、照明器具に耐熱性がないと、最悪火事になってしまう恐れがあるのです。

リヴィ
消費電力を大きいものに切り替えるときには、照明器具のトリセツを読もう。

実際の回路図を読む掴むコツ

いくら電気回路に詳しい人でも、実際に電気回路を使って仕事をしようと思った際に、いちいち電圧や電流を計算して、どこが大きい・小さいなどと考えていてはとても面倒くさいです。

そのため、実際の回路図では以下のような暗黙のルールがあります。

  • 回路がループする部分は省略して描かれる
  • 入力側が左側、出力側が左になるように描かれている
  • 電圧(電位)が高いものは上の方、電圧(電位)が低いものは下の方に描かれている
  • なるべく機能ごとにまとめて描かれている

このようなルールは規格などで定められている訳ではないのですが、それでもこのルールに則っている回路図は読みやすく電気屋さんにとっても嬉しいです。

リヴィ
もちろん例外はありますが、このような暗黙のルールがあることを知っているだけで、機械系の人でも回路図がかなり読みやすくなると思います。こんなこと誰も教えてくれませんでしたよね笑

まとめ

今回のポイントについてまとめると、以下の通りとなります。
  • 抵抗がない電気回路は、ダムから水道を直で引いてきてるのと同じ
  • 電圧降下という言葉に慣れておくと、今後の学習がスムーズになる
  • 電池を逆向きにしても、電流が流れることがある
  • 消費電力と電球の明るさは必ずしも関係していない
  • 消費電力の高い電球に切り替えるときには要注意
  • 回路図には暗黙のルールがあるため、試験問題のように読みづらいことは少ない

今回の記事を読んで、電気回路に対する正しいイメージをつかみ、誤解があった人はそれを解いてから電気回路の勉強を始めると、ある程度頭に入りやすいかと思います。

なお、機械系の人が一から電気回路を勉強するときなどは、まずは以下のような書籍がおすすめです。

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今回は以上となります。

ご一読ありがとうございました。

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