この記事を読むべき人
- 採用面接が嫌いな人
- 面接ってどんなことを準備しておけばいいのかと気になっている人
- 転職をしたいが、就活のときの面接がトラウマになっていて、勇気が出ない人
こんにちは、リヴィです。
私は妻と息子の3人ぐらしをしており、普段は機械設計として仕事をしています。
私はもともと新卒で大企業に就職し、そこで機械設計の仕事をしていましたが、ちょうど30歳になる2020年に、今のベンチャー企業へ転職しました。
私と同年代の人と話をしていると、大企業の正社員だとしても、2~3人に1人ぐらいの割合で「1度は転職について考えた事がある」と言っています。
その理由ですが、2019年頃から始まった働き方改革(年功序列の撤廃)に加え、2020年から流行をした新型コロナウイルスによる経済的な大打撃によって、安定と言われていた大企業でもリストラや給料・ボーナスカットを敢行するようになったことが挙げられます。
ここ最近でも、以下の企業がリストラを発表しています。
リヴィ
リストラの対象者が40・50歳というところもありますが、若手の人は「自分は対象者じゃないから関係ない」と思ってはいけません。いま対象でないだけで、将来も対象にならないとは限らないからです。「明日は我が身」という気持ちでいる方が正解です。
さらに、リストラが増えているだけでなく、雇用先の数もかなり減ってきています。
2020年11月の有効求人倍率(ざっくりいうと、求職者に対する求人数の割合)を見ると、正社員の有効求人倍率(季節調整値)はわずか0.80倍という結果となりました。
これはつまり、就職先を選ばずに応募したとしても、5人に1人は正社員になれないということを意味しており、会社内でも、転職市場でも「正社員」の争奪戦が繰り広げられております。
このような状況においては、「出身大学・就職企業名」というステータスにあまり価値はなく、「結局、あなた自身は何ができるのか?どんなスキルがあるのか?どのようにして会社に貢献してくれるのか?」という個人の能力が重視されてきます。
ただ、
- 自分が普段やっている業務が、会社の経営陣から見て価値があると言えるの?
- 最悪いまの会社が倒産したとしても、転職して生き残れるためには、何をすればいいの?
- 転職市場で求められる「個人の能力」って、具体的に何?
と気になっている人も多いかと思います。
リヴィ
こういった相談は会社ではしにくいですもんね。仮に相談できたとしても、ほとんどの人は年功序列の文化で育ってますから、まともに答えられる人はほぼいません。
そこで今回は、私の転職の経験をもとに、「機械設計として転職するときに面接で聞かれたこと」を、ほぼそのまま紹介していきます。
この記事を読み、機械系経営陣の生の声を知り、労働市場で価値のある機械設計者を目指すためのロードマップ作りや、転職活動をする際の面接対策等に役立てていただければ幸いです。
なお、私の転職先はベンチャー企業でしたが、
- これまで4~5人がその企業を受けて、全員が1次面接で落ちている(転職エージェントより)
- これまで十数人から応募があったが、その大半は落ちている(ベンチャー企業の課長より)
- コロナ禍の第1波の真っ只中で、応募自体少ない、あったとしてもスキルについてかなり問われる中での転職活動だった
といった感じで、転職活動の難易度は割と高かったので、参考になるかと思います。
選考の流れ
現職の選考については、以下のような流れで進みました。
- 書類選考(「履歴書」「職務経歴書」「志望動機や希望年収等を書く書類」の3種類)
- 一次面接(with 機械系の役員)
- 二次面接(1)(with 機械系の役員 と 機械系の課長)
- 二次面接(2)(with 社長)
- 顔合わせ(1)(with 機械系の役員)
- 顔合わせ(2)(with 社長)
- 顔合わせ(3)(with 転職先企業と一緒に仕事している経営コンサルタント)
上記の中の「顔合わせ」というのは何かというと、社長の意向で直接話したいという要望があり、私が事務所に出向いたということです。
実際の採用面接自体は二次面接で終わりだったのですが、「実際にあったこともない人に対して、内定は出せない」という理由で、緊急事態宣言が解除されたタイミングで転職先の事務所に行き、顔を合わせて話をしにいきました。
リヴィ
「顔合わせは、採用とは関係ないからー」とは言われましたが、実際は設計能力を試された場面がありました笑(詳しくは後述します)
一次面接
面接の概要
- 相手:機械系の役員1名(年齢30代前半)
- 方式:zoom面接
- 面接時期:書類選考通過後、約1週間後
- 時間:1時間半程度
面接で聞かれたこと
- 弊社へ応募した経緯について教えて下さい。
- 今までどのようなプロジェクト、業務を行ってきたかを教えて下さい。
- 業務体制として、だいたい何人ぐらいの人がプロジェクトに携わっていて、各従業員はどのような役割で業務をしていましたか。
- 弊社に入社してからやりたいことはありますか。
- 弊社が内定を出した場合、いつ頃入社できそうですか。
- 設計業務で使っているツールはなんですか。
- アクチュエータは何を使っていますか。
- コンベアの設計はしたことがありますか。
- 0ベースでものづくりをした経験はないのですか。
- あなたが設計した部品について、機械加工・板金・成型・製缶のそれぞれの割合はどのような感じですか。
- プロジェクトメンバーが少人数のものが多いようですが、あなたの役割はなんでしたか。
- あなた自身がCADでモデリングを行う頻度はどの程度ですか。
- フレーム・架台の設計はできますか。
- 今まで行った業務の中で、一番楽しかったものはなんですか。
- ロボットのティーチングの経験はありますか。
- あなたはお客さんに機器・装置の提案をしに行ったことがあるようですが(書類選考時の提出書類より)、どのような流れで提案をしていったのかを教えて下さい。
- 板金を設計する際、ねじ山のかかりの目安はありますか。
- 「バーリング加工」というものを知っていますか。よろしければ解説してください。
- 「ヘミング加工」というものを知っていますか。よろしければ解説してください。
- 板金部品の設計では、タップを立てれないことが多いのですが、その場合あなたならどうしますか。考えつく限り教えて下さい。
- SPCCという材料の特徴について、解説してください。
- SS400という材料の特徴について、解説してください。
- 趣味は何ですか。
- 勉強は好きですか。
二次面接(前半)
面接の概要
- 相手:機械系の役員1名(1次面接と同じ人)+機械系の課長1名(30代前半)
- 方式:zoom面接
- 面接時期:1次面接通過後、約1週間後
- 時間:1時間程度
面接で聞かれたこと
- 産業用ロボットを使った経験があるとのことですが、各ロボットメーカーのロボットの特徴について教えて下さい。
- あなたが設計をするときに重視していることはなんですか。
- 工事SV(監督)の経験があるとのことですが、のような業務をしていたのです、具体的に知りたい。
- 今まで経験した業務の中で、一番大きな失敗と、それをどのように乗り越えたかを教えどんなて下さい。
- プロジェクトのメンバーは、機械と電気制御、それぞれどの程度の人数でしたか。
- 電気制御関係で苦労したことはありますか。
- 機械設計では、どのような材料を使っていましたか。3つ教えて下さい。
- 板金の設計経験はどの程度ありますか。
- 軸・はめあい等の設計はしたことがありますか。
- 駆動系の設計経験はありますか。
- 他の人を頼りにした経験はありますか。
- あなたが自身が年上の人に指示をして、動いてもらったという経験はありますか。
- 今まで自身で設計した製品の中で、最も部品点数が多いものは何点ぐらいのものですか。
- 趣味でブログをやっているとのことですが、どのような内容ですか。
- そのブログのURLを教えて下さい。
- 大企業の方は、「設計」と言いつつも実態は「マネジメント」が多いという印象があります。ですが、弊社は少数精鋭型なので図面・モデル作成も自分でバリバリやります。あなたが今後弊社でそのような仕事をやっていけるという根拠を教えて下さい。
- 最後に何か聞きたいことはありますか。
二次面接(後半)
面接の概要
- 相手:社長1名(30代前半)
- 方式:zoom面接
- 面接時期:2次面接(前半)実施の直後
- 時間:1時間程度
面接で聞かれたこと
- 大学ではどのような科目の勉強をしていましたか。
- そもそもなぜ機械系に進まれたのですか。
- なぜ転職しようと思ったのですか。
- あなたが現在勤めている企業で、あまり好きになれないこと・不満なことはなんですか。
- あなたが現在の業務で、「こうすれば仕事がうまくいく」と言ったような業務のコツを3つ教えて下さい。
- あなたが弊社で仕事をしていきながら、人生をかけて達成していきたいものを3つ答えてください。
- あなたは理論を固めてから動くタイプですか。それともまずは実験・試作をするようなタイプですか。
- 弊社はベンチャーなので、大企業のような安定感はありません。それに対する不安はありますか。
- あなたが仕事で、あまりやりたくないと思ったことは何かありますか。
- 最近あなたが気づいた面白い発見はなんですか。
- 奥さんやお子さんがいる中でのベンチャーへの転職は、当然ご家族の理解が必要かと思います。そのあたりご家族とは話をされていますか。
- 弊社が内定を出した場合、いつ頃入社できそうですか。
- 趣味にブログ執筆とありますが、なぜブログをやろうと思ったのですか。
- 趣味にプログラミングとありますが、もともとプログラミングが得意だったのですか。
顔合わせ
- 開発の設備等はアルミフレームを使うことが多いのですが、アルミフレームを使った設計をしたことはありますか。
- アルミフレームはどこのメーカーのものを使用していましたか。
- 弊社はMisumiというところから資材・機器を購入することが多いのですが、Misumiはご存知ですか。
- (コピー用紙とペンを渡されて)いま弊社の開発案件で、xxという仕様の簡単な装置を検討しています。あなただったらどのような構成にするか、アイデアを紙に書いてください。
- 自分で装置を組み立てたりした経験はありますか。
- うちはベンチャーなので、大企業に比べると小規模のプロジェクトばかりですが、そういったプロジェクトは興味ありますか。
まとめ
今回は、私が現職に転職する際に面接で聞かれたことをリストアップいたしました。
このリストを見て「あ・・・、就活のときのトラウマが・・・。というかむしろ、就活のときよりも難易度が高い気が・・・」という人も多いと思います。
それもそのはずで、就活のときは実績ではなく将来性が重視されていましたが、転職活動では実績の方が重視されるからです。
リヴィ
一般的に、転職市場で需要があるのは35歳までと言われております。そして、35歳に近い人ほど実績が求められる傾向にあります。
普段、こういったことを意識しながら仕事することは、ほとんどないと思います。
ですが、だからこそこういった質問に答えられるように普段の業務を行うことで、周りの人よりもズバ抜けた技術者に成長し、世の中で求められるエンジニアになることができると思います。
なお、面接そのものではなく、転職活動全体を通しての雰囲気をもっと知りたい方は、以下の記事にて解説しておりますので、参考にしてみてください。
今回は以上となります。ご一読、ありがとうございました。
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