解説します。ネジが緩む原因

ねじ

ここ最近、ねじの緩み止め対策などの記事を書き続けておりましたが、今回はちょっと基本に戻って考えてみます。

そもそも、なぜネジが緩むのでしょうか。

これは、大きく分けると「非回転緩み」と「回転緩み」に分けられます。

  • 非回転緩みとは、ネジが回転していないのに緩む現象です
  • 回転緩みとは、ネジが回転することで緩む現象です

では、詳しくみていきましょう。

ネジで部品が固定できる原理

まずはネジで部品が固定できる原理についてお話しします。

ネジを締め切ったときのことを考えてみます。

ボルトの頭と、ナット(またはタップを切った部品など)で部品が挟まれます。
一方で、作用・反作用の法則で、ボルトは伸びる方向に母材から力を受けます。

このとき、ボルトの頭(または座金)と母材との間、および母材と母材との間に摩擦力が発生します。

また、雄ネジと雌ネジとの間にも摩擦力が発生します。
この摩擦力があるからこそ、ネジで部品が固定できるというわけです。

摩擦力は「垂直抗力」×「摩擦係数」ですから、
垂直抗力が減少するような状況が起こると、ネジが緩みやすくなります。

非回転緩み

主に以下の4つが発生原因となります。

初期緩み

ボルトの頭と母材とが接触する面を顕微鏡で見ると、微細なデコボコが存在します。
また、母材と母材とが接触する面も同様に、微細なデコボコが存在します。

ボルトを締め付けた際に、この微細なデコボコがわずかにヘタるように変形します。
資料によっては、「馴染み」と言ったりもします。

この変形によってボルトの頭と母材、母材と母材との間の締め付け力が低下する現象を初期緩みと言います。

この初期緩みは、文字通りボルトを締め付けた初期で発生します。
そのため、ヘタりがある程度おさまれば、それ以上進行することはほぼありません。

そのため、ボルトを締め付けて、少し時間をおいたら、もう一度適切に締まっているか確認することが大切です。

ばね座金は、初期緩みが多少発生しても、ばね力で軸力を保持できるとされております。

しかし一方で、緩み止めとしてはほとんど効果がないという報告も多く挙げられているため、
基本的に緩みにくい部品をボルト固定する際の保険程度にしておいた方が良いです。

陥没緩み

ネジを締め付けたとき、その締め付け力に母材が耐えられなければなりません。

母材が耐えられず、陥没してしまうと、そこに隙間が発生し、垂直抗力が低下、ネジが緩んでいきます。

ネジを締め付けている最中に陥没に気付ければ良いですが、多くの場合は、一度ネジを取り外してみないと気づかないです。

母材が樹脂やアルミであったり、母材の厚さが薄い場合などで起こりやすいので、要注意です。

微動による摩耗や過大外力による塑性変形

ネジを締め付けたときに、ボルトの頭と母材、母材と母材とで接触をしておりますが、その接触部がわずかながら動くと、摩耗が生じます。

摩耗が生じると、そこに隙間ができる=垂直抗力が低下するため、ネジが緩んでいくことになります。

また、ネジの耐久力(許容荷重)を超えるような荷重がかかると、ネジが伸びきってしまうことがあります。

これを塑性変形といいますが、これによって垂直抗力が低下し、ネジが緩んでいきます。

熱の影響

ボルトの材質と、母材の材質の熱による膨張の程度(線膨張係数)に差があると、高温の環境にて緩みが発生することがあります。

例えば、母材が樹脂で、ネジが鉄系であると、線膨張係数の差が大きいため、高温環境では樹脂が大きく膨張します。

それに対してネジはあまり膨張しないため、ネジが母材に食いこむように力が作用し、母材が陥没したりします。

また、高温になると、材料の組成が変化する影響で、ネジが緩みやすくなったりすることもあります。

回転緩み

振動や、繰り返しかかる荷重によって、ネジが回転しながら緩む現象のことです。

ボルトが回転する方向に振動や荷重がかかっている場合はもちろんのこと、
おねじとめねじとの間には、わずかに隙間が存在するため、
軸方向や、軸と垂直な方向にかかる振動や荷重が発生しても、回転緩みは生じます。

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