未経験でCADオペレーターになるには【5つのことができればOK】

キャリア

これからの仕事について考えていて、CADオペレーターとか気になっているんだけど、機械系の大学や専門学校を出ていないような未経験でも仕事できるものなのかな。どんな知識やスキルがあればいいか教えて欲しい。

このような悩み・疑問を持った人へ、お答えしていきます。

結論から言うと、今回お話しする5つのことができれば、未経験でも機械設計として仕事できます。

私は普段、機械メーカーの正社員で、設計職として仕事をしております。

去年ぐらいから、ある程度の規模の装置設計を一任されるようになり、派遣のCADオペレーターの人たちとコミュニケーションを取りながら設計業務をしております。

CADとは、Computer Aided Designの略で、コンピューターのソフト上で設計図(図面)を描くツールです。最近は、手書きで図面を描くことはなく、コンピューター上で作成するのが99.9%ぐらいです。機械設計の正社員の業務は幅広く、機械設計だけに集中することができません。そんな人の設計業務を、CADを使ってお手伝いする仕事がCADオペレーターです。

そのCADオペレーターの人たちは、まだ仕事を始めて数ヶ月の人や、年齢が18歳の人などもいるのですが、

その人たちと仕事をしていく中で「最低でもこれさえ身につけておけば、CADオペレーターとして仕事できるんだなぁ」と思ったことが5つありました。

そんなに難しい内容ではないのですが、逆に最低この5つができていないと、機械設計として仕事をするのが難しいので、知識やスキルを身につけておくことをおすすめます。

それでは、具体的に何を身につけておけば良いかについて、お話ししていきます。

※注意
機械メーカーの設計職の立場からの意見ですので、どうしても偉そうに聞こえるかもしれませんが、そんなつもりでは執筆をしておりません。もし、「偉そうなことばかり言いやがって」と気分を害された方は、参考にしなくてもOKです。

CADオペレーターに最低限必要なこと

報告・連絡・相談ができること

機械設計のプロジェクトには必ず「納期」があり、その納期までに製品を納品しなければなりません。

その納期から逆算して、設計のスケジュールが決められており、
私たち機械メーカーは、そのスケジュールに間に合うように図面を作っていただくよう、CADオペレーターの人へお願いをします。

ところが、スケジュールを守るために、CADオペレーターの人が「報告・連絡・相談」ができないと、私たち機械メーカーとしてはめちゃくちゃ困ります。

例えば、こんなことが起こると困る

具体的にどのようなことかというと、

  • 何も連絡なく急に休む(体調不良や、子供の世話などで休む場合、当日の朝でもいいので連絡ください)
  • 派遣先の会社ルールがわからなくて、作業が止まる
  • パソコンの設定等がわからなくて、作業が止まる
  • 図面作成を進めている最中に、構造や寸法について悩んで、作業が止まる
  • 部品の選定に時間がかかって、作業が止まる
  • 言われたスケジュールどおりに作業が終わりそうにない 等々・・・

このように、作業が止まるようなことがあったら、まずは担当の正社員に「報告・連絡・相談」をしてください。

機械メーカーが納期に厳しい理由

なぜここまで機械メーカーが納期について厳しいかというと、納期が守れなかった場合、納期遅延金が発生する可能性があるためです。

納期が遅れた場合、機械メーカーのお客さんからしてみれば「ちゃんと納期を守ってもらえたら稼ぐことができたはずの売上を、まるごと儲け損ねる」ことになります。

例えば、自動車を作る機械を設計することとなったとしましょう。
自動車業界は特に納期に厳しいことで有名です。

自動車は1日あたり1000台ぐらい生産したりします。
そのため納期が1日遅れた場合、「自動車1台あたり200〜300万円」×「1000台」分が損失となります。

業務が遅れそうでも「報告・連絡・相談」をしてもらえたら、対策が打てる

もし作業が止まることがあったら、それをすぐ「報告・連絡・相談」してもらえたら、私たち機械メーカーの社員は以下のように動くことができます。

  • 担当者がわかることであれば、解決する・指示する
  • 応援の人を呼ぶ、周りに助けを求める
  • プロジェクトチームの他のメンバーと、スケジュールについて調整する
  • お客さんと交渉して、スケジュール調整をする

何かあった時に、時間的な余裕があるほど、できることが増えていきます。逆に期限ギリギリになって問題が発覚すると、残業をせざるを得なくなります。

標準的な部品のことについて自分で調べられる

装置の組立図を作成する上では、

製作部品については規格にしたがった形状・寸法で描く必要があり、購入部品についてはCADデータを入手する必要があります。

そんなとき、その部品が特注ではない限りは、ある程度自分で調べられることが必要です。

JISを調べる

機械設計は、特別な場合を除いては、JISにしたがって進めます。

JISとは、日本産業規格(Japanese Industrial Standard)の略で、ものづくりに関する日本の国家規格です。部品の大きさや寸法、試験方法について規定されているものです。身近な例ですと、コンセントの形状や、鉛筆の形状・濃さなども、JISにしたがって製造されていたりします。

そのため図面を描く時に、JISに掲載されている部品はそのとおりの形状や大きさにする必要があります。

JIS全体は、ものすごい多くのことについて規定しているのですが(六法全書が数十冊分ぐらいあります)、実際の機械設計で使用するのはほんの一部です。

例えば、図面を描く上で必要なJISの項目は以下のものがあります。

  • ねじ、ボルト、ナットの形状
  • 軸や穴のはめ合い
  • 軸受の寸法
  • 配管の太さ
  • キーやキー溝の寸法 等々・・・

機械設計でよく使う項目についてまとめられた本に以下のものがあり、私の会社の正社員・派遣社員の人の8割ぐらいは持っています。

内容を暗記する必要はなく、辞書のように必要な時に必要な項目を調べられることが重要です。

机の脇に一冊置いておくと、役に立つことが多いです。

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鋼材のサイズを調べる

鋼材は機械の架台やフレームによく使います。

鋼材とは、以下の画像のような鉄鋼材料のことを指します。ショッピングモールの立体駐車場や、鉄骨の建物の工事現場などに行くと簡単に見つけることができます。

これについては本を買ったりする必要はなく、必要な時にグーグルで「鋼材 サイズ」と調べることができればOKです。

その他 よく使う部品について調べる

そのほかにも、機械設計で必要な部品は数多くありますが、その都度グーグルで調べることができればOKです。

設計する機械によって、どんな部品をよく使うかは異なるのですが、とりあえずはミスミという通販サイトが使いこなせれば、なんとかなることも多いです。

調べ方は、以下のようにグーグルで調べれば、大抵情報がでてきます。

  • 「商品名 CAD」「商品名 寸法」等で検索する
  • 「部品の型式 CAD」等で検索する
  • そのメーカーのお問い合わせフォームから「xxという型式のCADデータをいただけませんか」と問い合わせる。

また、派遣先には「社内基準」や「部内基準」があるところもあるので、その際は必ず資料を入手しておくようにしましょう。

高校物理の力学がわかる

高校物理程度の力学の知識はわかるようにしておきましょう。

  • 力のつりあい
  • 力のモーメント
  • 摩擦
  • 作用・反作用の法則

このあたりです。

自信のない人は以下の本がオススメですので、勉強しておきましょう。

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入門レベルの材料力学がわかる

ものづくりの仕事なので、材料力学はわかるようにしておきましょう。

材料にかかる荷重の種類は次の5種類があります。

  • 引張り
  • 圧縮
  • せん断
  • 曲げ
  • ねじり

大学で習うような材料力学は、微分・積分等の知識が必要となりますが、CADオペレーターの仕事であれば、この辺りは後回しでも大丈夫です。

必要なのは、簡単な強度計算や、手計算レベルの断面二次モーメント等の計算です。

鋼材のサイズを決める時などにこの辺りの計算式を知っていると、バリバリ図面作成を進めることができます。

このブログでも、計算のページを作っていますので、よろしければご活用ください。

CADの操作ができる

当然ではあるのですが、CADオペレーターの仕事はCADが使えることが必要です。

中でもCADには「2D CAD」と「3D CAD」とがありますが、今から機械設計の仕事を考えるのであれば「3D CAD」をおすすめします。

ただし、一言に3D CADと言っても、どのようなCADソフトを使うかによって、派遣先の企業や担当製品が決まってきます。

3D CADのソフトには、それぞれ特徴がある

代表的な3D CADソフトには以下のようなものがあります。

  • CATIA(ハイエンドCAD)
  • Creo Paramatoric(ハイエンドCAD)
  • Autodesk Inventor(ミッドエンドCAD)
  • Fusion360(ミッドエンドCAD)
  • SolidWorks(ミッドエンドCAD)

ハイエンドCADとは航空機などの大型機械で使われており、機能が豊富で、他のソフトと連携して高度な解析などもできたりします。

一方ミッドエンドCADは、家電製品や精密機械などの機械設計に使われており、機能は若干劣りますが、最低限の機械設計と、簡単な解析ができます。

もし、どのような機械設計をしたいかというイメージをお持ちでしたら、それに合うようなCADソフトで、操作の練習をしておくと良いでしょう。

ただし、未経験であれば、独学で操作になれるのはかなりハードルが高い上、ライセンスの料金も高いので、スクールに通ったり、CADソフトの訓練ができる派遣会社に就職するなどした方が良いです。

仕事をはじめてからでもよい知識

よく機械設計の仕事をするには「4力(よんりき)が必要」と言われます。

4力とは「材料力学」「機械力学」「熱力学」「流体力学」の4種類のことを指します。大学の機械系の学科に進むと、これらの教科は必須科目であることが多いです。

しかし、材料力学を除く3種類については、ぶっちゃけ仕事が決まってからでも十分です。

なぜなら、担当する製品によって、知識の必要・不必要が極端だからです。

例えば、エンジンやボイラー、ガスタービンなどの設計をする上では「熱力学」は必要不可欠ですが、ベルトコンベアを設計するのに熱力学は必要ありません。

そのため、勉強する必要があると感じた時に勉強するようにすれば良いです。

まとめ

今回の内容をまとめると、次のとおりです。

  • 未経験で機械設計のCADオペレーターに最低限求められる条件は、そこまで難しいことではない
  • 派遣先の人とのコミュニケーションは大事
  • CADでモデルを作成する上でわからないことはググればOK
  • 4力は必要だと言われるが、材料力学以外は派遣先が決まってからでもOK

私はいくつかの記事で、「機械設計とは、模範解答のない問題について、その時代その状況における最適解を考えること」と申し上げましたが、

それは、機械メーカーの正社員でキャリアを歩む人に求められることであり、CADオペレーターで仕事をする上ではそこまで求められません

CADオペレーターに求められることは「私たち機械メーカー社員の頭の中にあるアイデアを、図面や3Dモデルという形で具現化してもらうこと」です。

今回の記事を参考に、CADオペレーターになるための下準備をしてみてはいかがでしょうか。

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