【材料力学】微小要素で区切って微分方程式で解く方法

材料力学

材料力学の問題を解く方法には、大きく分けて2つあります。
1つは材料を「仮想的に切り離して解く方法」、もう1つは材料を「微小要素に区切り微分方程式で解く方法」です。

どこが違うかと言いますと、
「仮想的に切り離して解く方法」では、「全体」について考えてから、「部分」について考えて答えを導くのに対して、
「微小要素に区切り微分方程式で解く方法」では、「部分」について考えてから、「全体」について考えて答えを導くという方法になります。

微小要素とは、その名の通り、とても細かい要素ということです。
例えば「長さ1mの棒を、長手方向に0.01mm感覚で区切って考える」といったイメージです。

この方法で解こうとすると、微分の項が含まれた方程式である微分方程式を解く必要があります。
このあたりの知識は大学の授業で習います。

どちらの方法でも溶けるような簡単な問題の場合では、わざわざ「微小要素」や「微分方程式」などを考えるのは、かなり面倒臭いです。

しかし、少し応用的な材料力学の問題では、「仮想断面で考える方法」では解くことが難しいのです。

そんなときに「微小要素に区切り微分方程式で解く方法」は、非常に強力な方法となるのです。

そこで今回は、材料力学の応用問題を解くための準備として、「仮想的に切り離して解く方法」と「微小要素に区切り微分方程式で解く方法」との違いを、例題を使って解説していきたいと思います。

例題

下の図のように、天井に一様な丸棒が垂直に固定されています。
丸棒の長さ・断面積・密度をそれぞれL・A・ρ、重力加速度をg、丸棒と天井との固定化を原点として鉛直下向きにx軸を設定したとき、丸棒に働く内力の大きさを求めてください。

仮想的に切り離して解く方法

材料力学の入門的な内容では、ほとんどの場合こちらの方法で問題を解きます。

この方法の利点としては、材料力学の初歩的な問題を解くのにとても便利である点です。

問題を解く全体の流れとしては、以下のとおりです。

  1. 荷重の釣り合いの式を立てる。
  2. 材料を仮想的に切り離す。
  3. 内力を求める。

まずは、丸棒についての力の関係について考えてみます。

丸棒が受ける力は「重力」と「壁から受ける反作用力」なので、以下のようになります。

$$\rho ALg-N=0\\
N=\rho ALg\cdots(1)$$

続いて、釣り合いについてx=xのところで、水平に仮想的に切り離して、力の関係を調べてみます。
内力をFとおくと、力の関係は(1)を用いて以下のとおりとなります。

$$\begin{align}
\rho Axg-N+F=0
\end{align}$$

$$\begin{align}
F&=N-\rho Axg\\
&=\rho ALg-\rho Axg\\
&=\rho Ag(L-x)
\end{align}$$

微小要素に区切って解く方法

微小要素に区切って考える場合、問題を解く流れは以下のとおりとなります。

  1. 座標軸に沿って細かく区切る。
  2. 微小要素に発生する力を求める。
  3. 積分をして全体について求める。

まず座標軸に沿って、丸棒を細かく区切っていきます。
このとき、長さがそれぞれdx(「d×x」ではなく「dx」で1つの文字として捉えてください)となるように区切ります。

区切られた微小要素のうち、x=xと、x=x+dxとの間に挟まれたものについて考えてみます。

この微小要素が受ける力の関係式は以下のとおりです。

$$F(x+dx)-F(x)+\rho A(dx)g=0\cdots(2)$$

ここで内力Fはxの位置によって値が変わる(xの関数である)ので、そのことを明記するためにF(x)およびF(x+dx)と表記しております。

ここで、F(x+dx)をテーラー展開により近似します。

$$\begin{align}
F(x+dx)&=F(x)+\frac{dF(x)}{dx}dx+\frac{1}{2}\frac{d^2F(x)}{dx^2}(dx)^2+\cdots\\
&\simeq F(x)+\frac{dF(x)}{dx}dx
\end{align}$$

よって(2)式は、

$$F(x)+\frac{dF(x)}{dx}dx-F(x)+\rho A(dx)g=0\\
\frac{dF(x)}{dx}dx+\rho A(dx)g=0\\
\frac{dF(x)}{dx}=-\rho Ag\cdots(3)$$

となります(左辺は「F(x)をxで微分したもの」という意味です)。
(3)式のような、方程式に微分の項を含むものを微分方程式と呼びます。

微分方程式の解き方は、方程式の形によってパターンが分かれるのですが、今回は変数分離という方法で解いていきます。

(3)式の両辺にdxをかけて、不定積分をします。

$$\begin{align}
dF(x)&=-\rho Agdx\\
F(x)&=\int(-\rho Ag)dx\\
&=-\rho Agx+C\cdots(4)
\end{align}$$

(4)式のCは定数です。
あとは、このCの値が何かを求めることができれば、内力を求めることができます。

ここで、問題文に着目しますと、丸棒の先端には荷重が何もかかっていないことがわかります。
つまり、x=Lの場所で、F(x)=0となります。

このように、問題文から明らかになっている条件のことを境界条件といいます。

よって、この境界条件を(4)式に代入すると、

$$0=-\rho AgL+C\\
C=\rho AgL$$

です。よって内力は、

$$\begin{align}
F(x)&=-\rho Agx+\rho AgL\\
&=\rho Ag(L-x)
\end{align}$$

となり、仮想的に切り離して解いた場合と同じ答えとなることがわかります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました