【まとめ】材料力学の応力の計算方法のロードマップ

材料力学

材料力学においては、材料が受ける荷重は次の5つに分類されます。

  • 引張荷重
  • 圧縮荷重
  • せん断荷重
  • 曲げ荷重
  • ねじり荷重

問題には様々なパターンがあるように思えるのですが、その本質は割とシンプルです。

今回は、これらの荷重の問題の解き方についてまとめました。

応力計算の基本的な解き方はこの2つ

材料が受けている荷重がわかってる場合

材料が受けている荷重がわかっており、釣り合いの式により未知数を求めることができる場合は、
以下の手順で計算することができます。

  1. 荷重の釣り合いの式を立てる。
  2. 材料を仮想的に切り離す。
  3. 内力を求める。
  4. 応力を求める。

材料に発生している変形量がわかっている場合

材料の変形量がわかっている場合(材料の両端が拘束されている等)で、以下の手順のものです。

  1. 「変形量」の関係式から式を立てる。
  2. 「変形量」を「ひずみ」で書き換える。
  3. フックの法則から、「ひずみ」を「応力」で書き換える。
    (場合によっては、さらに「応力」を「荷重」で書き換える。)

こちらの方法は、特に力の釣り合いの式だけでは求めることができないような、
不静定問題や、熱応力の問題では、

「荷重の釣り合いの式」と「変形量の式

の2つの関係式を使うことで、問題を解くことができます。

以上の流れを基本として、続いては荷重ごとの計算方法についてお話しします。

仮想断面上で応力が一様な場合

「引張荷重」「圧縮荷重」「せん断荷重」の問題に多いです。

この前提が適用できると、応力の計算式はシンプルになります。

応力の計算式は以下のとおりです。

垂直応力
$$
\sigma=\frac{F_v}{A}
$$

σ:垂直応力
Fv:仮想断面に垂直方向の内力
A:仮想断面の面積

せん断応力
$$
\tau=\frac{F_h}{A}
$$

τ:せん断応力
Fh:仮想断面に水平方向の内力
A:仮想断面の面積

また、ひずみの計算式は以下のとおりであり、材料に発生している変形量がわかっている場合などに使用します。

垂直ひずみ
$$
\begin{align}
\varepsilon&=\frac{L-L_0}{L_0}\\
&=\frac{\Delta L}{L_0}
\end{align}
$$

ε:垂直ひずみ
L:変形後の寸法
L0:変形前の寸法
ΔL:変形量

せん断ひずみ
$$
\begin{align}
\gamma&=\frac{L-L_0}{L_0}\\
&=\frac{\Delta L}{L_0}
\end{align}
$$

γ:せん断ひずみ
L:変形後の寸法
L0:変形前の寸法
ΔL:変形量

仮想断面上で応力が一様ではない場合

「曲げ荷重」「ねじり荷重」の問題に多いです。

この場合、応力の計算に、仮想断面の断面積を使用することができません。

その代わりに、
曲げ荷重の場合は「断面係数」を、ねじり荷重の場合は「極断面係数」を
使用します。

曲げ応力の計算
$$
\begin{align}
\sigma=\frac{M}{Z}
\end{align}
$$

σ:曲げ応力
M:内力として働く曲げモーメント
Z:断面係数

ねじり応力の計算
$$
\begin{align}
\tau=\frac{T}{Z_p}
\end{align}
$$

τ:ねじり応力
T:内力として働くトルク
Zp:極断面係数

式だけを見ると簡単そうではありますが、特に曲げ応力の計算に使われる「内力として働く曲げモーメントM」は、梁が受ける荷重の大きさや、梁の固定方法によって値が大きく異なります。

一般的にMを求めるためには、BMD線図を作図する必要があります。

ねじりの場合も、トルクが既知であれば簡単に応力を計算することができますが、モーターの駆動軸などの場合は、慣性モーメントや角加速度などから計算をして求める必要があります。

一方、ひずみについてですが、曲げ荷重の場合にも、ねじり荷重の場合にも、
仮想断面上にひずみが0である場所が存在します(中立軸・ねじり中心)。

その場所を基準として、そこからの距離でひずみを表します。

曲げによるひずみの計算
$$
\begin{align}
\varepsilon&=\frac{y}{r}\\
&=\frac{My}{EI}
\end{align}
$$

ε:曲げによるひずみ
y:中立軸からの距離
r:中立軸の曲率半径
M:内力として働く曲げモーメント
E:ヤング率
I:断面二次モーメント

ねじりによるひずみの計算
$$
\begin{align}
\gamma&=r\frac{\phi}{L}\\
&=r\theta
\end{align}
$$

γ:ねじりによるひずみ
r:ねじり中心からの距離
L:棒の長さ
φ:ねじれ角
θ:比ねじれ角

なお、ここでの説明ででてきた、材料の仮想断面に関する諸元の詳細については下の公式集をご参照ください。

フックの法則

応力とひずみとの関係性を表したものがフックの法則です。

「引張荷重」「圧縮荷重」「曲げ荷重」については、ヤング率を使ったフックの法則を、
「せん断荷重」「ねじり荷重」については、横弾性係数を使ったフックの法則を使用します。

ヤング率を使ったフックの法則
$$
\sigma=E\varepsilon
$$

σ:垂直応力
E:ヤング率
ε:垂直ひずみ

横弾性係数を使ったフックの法則
$$
\tau=G\gamma
$$

τ:せん断応力
G:横弾性係数
γ:せん断ひずみ

ただし、フックの法則は、比例限度までの領域でしか成立しないことに注意をしてください。

大切なのは、公式を暗記することではない

材料力学の公式をネットで調べると、いくらでも公式が出てきます。
英単語の丸暗記的なノリで覚えようとしても、材料力学の問題が解けるようにはなりません。

問題を解く上で最も大切なのは、
「現象をイメージ」し、「前提条件」に合致した計算をする
と言うことです。

材料力学ができるかどうかを判断しようとした時に、個人的に一番わかりやすいと思っているのが、「正しいモデルの絵が描けるかどうか」です。

公式の丸暗記の人は、まず正しいモデルの絵を描くことができません。
なぜなら、現象がイメージできていないか、前提条件がわかっていないからです。

モデルの絵が描けないのに、公式をもとにしたエクセルの計算シートを作っても、何の意味もありません。

多くのブログや、参考書で、公式の導出について解説しているのは、まさにこれを理解する必要があるからなのです。

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